キリンなどがSNSと店舗とを連携させたビールギフトサービス開始

2012年09月28日 11:00

 キリンビールが、セブン&アイ・ホールディングス、ソフトバンクギフト、イーライフと共同で、ソーシャルメディアと実際の店舗が連携したビールギフト・ショッピングサービスを10月1日より展開すると発表。FacebookやTwitterに登録している友人に「グランドキリン引換券(1本)」(価格:238円)を、メッセージ付でプレゼントできるという。

 キリンビール社が「GRAND KIRIN(グランドキリン)」の発売と同時に販売促進として6月から実施していたキャンペーン「BEER to friends」が大きな反響を呼び、約2カ月で当初の年間販売目標を達成したことを受けて開始される本サービスは、専用WEBサイトを通じて「グランドキリン引換券(1本)」を購入し、それをメッセージと共にFacebookやTwitterに登録している友達に送信。受け取った側が、全国に約14400店あるセブン-イレブン酒類取扱店舗において引換券画面を提示することで、時間に関係なく受け取ることが出来るというもの。先に実施されたキャンペーンでは、相手の住所を知らなくてもプレゼントできることなどが高い評価を受けていたという。

 ICT総研の調査によると、日本のSNS利用者は4289万人と、ネット利用者中の約45%に普及。これが2014年末には、5643万人にまで普及すると見られるほど拡大が進んでいる。こうした中での今回発表された新サービスは、今までにない形のシステムであり、「相手の住所を知らなくてもプレゼントできる」点は大きなメリットと言えるであろう。一方で、ほぼ全てのコンビニエンスストアに常備している商品でないと対象に出来ず、商品やサービスの大幅な拡大は難しいのではないだろうか。また、「ビール一本」をプレゼントしたい相手・タイミングというのも、そう多くないであろう。先の調査では、SNS登録者のうち64%が毎日利用しているが、20%はほとんど利用しておらず、SNS広告を購入の参考にする利用者は15%、33%が広告を見ていないという結果が出ている。SNSを通じた対象商品の認知度向上のために、企業による販促活動の一環としては利用が広がるサービスかもしれないが、一般人がギフトとして広く利用するためには、まだまだ課題が多いのではないだろうか。