ソーシャルゲームの大手「GREE(グリー)」<3632>が14日、2013年の6月期通期決算を発表。売上高は1522億3800万円(前期比4%減)、営業利益は486億1500万円(同41%減)、経常利益は532億5700万円(同35%減)、純利益は225億1400万円(同53%減)と、初の減収減益となった。
こういった減収減益の原因として、スマートフォン(多機能携帯電話)用ゲームの開発に遅れ、十分なゲーム数を市場に投入することが出来ず、従来型の携帯電話用ゲームの収入落ち込みをカバーすることが出来なかったことが挙げられる。減益損失は97億円になる。
ブラウザゲームにおいては、従来型携帯電話用ゲームでのユーザーのコイン消費が減り、収入が落ち込んだ。スマートフォン用ゲームにおいては、グラニの「神獄のヴァルハラゲート」といったヒットゲームをリリースしたものの、既存の自社タイトルが減収となり、横ばいの結果となった。ネイティブゲームにおいては、「Knights & Dragons」、「War of Nations」など海外市場でのヒット作を生み出し、USスタジオは5月に単月黒字化を果たし、コイン全体の消費量の2割に達するなどの成長を見せた。
そして「GREE」は、14年の6月期上半期へ向けた取り組みとして、今後のリリース予定を公開した。ブラウザゲームはスマートフォンへの移行を優先しつつ、自社製のものを約3本、他社と協業したものを約7本、合計10タイトルのリリースを計画している。また、有力パートナーとの連携を強化し、「GREE Platform」の成長を推進するとしている。ネイティブゲームに関しては、国内向けが10本、海外向けが5本、合計15タイトルをリリースする計画。ネイティブゲーム事業のグローバルな成長を目指す。
「GREE」の田中良和社長は、「集中と選択を行い、伸びるべき分野を伸ばす。いかにユーザーにスマートフォンに移ってもらうかが重要」と語った。また、中途採用の抑制や残業代などの削減により人件費をカットし、14年の4~6月期までに、固定費を前年同期比の10%までに絞り込む予定だ。(編集担当:滝川幸平)