汚染水 凍土遮水壁工事まで流出続くなら大問題

2013年08月13日 09:28

 社民党の福島みずほ前党首は12日、東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質に汚染された地下水の海への流出問題で、凍土遮水壁による流出防止工事が来年4月以降になり「それまで流出が続くのであれば大問題」と政府がより迅速に流出防止に対応するよう求めている。

 政府の原子力災害対策本部の推定で、汚染地下水は1日300トンあまりが海に流出されているという。東電は汚染地下水の汲み上げによる流出量の軽減策を図っているものの、抜本策ではない。

 東電は原子炉建屋に流入する地下水を遮断するため、土を凍らせ壁をつくる計画だが、規模の大きさから世界でも前例がない。このため、政府として支援していくことになった。

 福島氏によると、凍土遮水壁の工事費用は原子力発電所事故収束対応室の算定で数百億円、維持費に数十億円が必要という。具体化への調査検討を来年3月末までに行う予定で、政府は新年度予算に必要な費用を計上する計画。

 汚染水の海への流出という深刻さから東京電力に任せておけないという認識では政府・与野党共有しているようだが、早期の具体化と工事完了後の凍土状態が維持できる担保も求められよう。(編集担当:森高龍二)