高齢者をターゲットにした、振り込め詐欺が多発している現在、今度は、太陽光発電やシェールガスなどの、新型エネルギー関連事業への投資を持ちかけ、高齢者から多額のお金をだまし取る被害が相次いでいる。
東京都内では、1億円を超える被害も発生、国民生活センター、警視庁などが注意を呼び掛けている。こうした現象は、東日本大震災福島第一原発事故以降、原発に変わる新エネルギーへ注目が高まっているところから、詐欺グループが動き出し、新エネルギー事業への投資を、言葉巧みに持ちかけ、高齢者からお金をだまし取る手口だ。
警視庁によると、都内では、昨年5~6月にも杉並区の無職の女性(80)が、太陽光発電への出資を持ちかけられ、1億2000万円をだまし取られた事件があった。
同庁は、現金受けとり役を逮捕するなど、詐欺グループ壊滅に躍起となっているが、指示をしている人物までたどり着くのが大変難しく、グループ全体把握に全力を挙げているというのが現状だ。
一方新型エネルギーとして今後需要が急増するとみられている、シェールガスや、メタンハイドレートについても、関連事業への出資話で、金をだまし取られるケースが目立っている。
国民生活センターによると、2つの新型エネルギー事業への、出資話に関する相談用件は、昨年9月までは月10件以下であったが、今年1月には、70件、昨年4月からの相談は、計443件に上り、実際に金を払ったケースは48件あったという。
この手口については、会社案内の書類に新型エネルギーに関する、新聞記事などを同封して送りつけ、数日後に、証券会社を名乗って、出資を誘い、太陽光発電の投資詐欺と同様、地域限定で、投資を募っていたという。
こうした振り込め詐欺や投資被害などを防止するため、東京都福生市は、市内の65歳以上の全高齢者の所帯を回り、注意を呼びかけるキャンペーンを、9月末から始めるという。こうした自治体の細やかな政策が、高齢者被害を防ぐ大きな対策になるだろう。(編集担当:犬藤直也)