夏期休暇中、レジャーや帰省を楽しんだ人であれば、この時期に気になるのは、財布の中身や預金通帳の残高ではなかろうか。不動産会社を営む人の話しによると、毎年9月頃は、賃貸住宅に居住する人が、賃貸から持ち家に住み替えられないかと模索する時期だという。この動きは、毎月引かれる家賃に頭を抱えたり、帰省をきっかけに持ち家に対する憧れが強まるから、ということらしい。
首都圏(1都3県)在住、既婚で子どもがいる20~40代サラリーマンを対象とした『一生賃貸派と持ち家派』の意識調査(アットホーム調べ)によると、「一生涯賃貸住宅に住み続けたい」一生賃貸派の平均年収は655万円。「現在持ち家に住む」持ち家派は671万円であるという。また、一生賃貸派は「賃貸の方が得」と77.0パーセントが回答。持ち家派は「持ち家の方が得」と88.0パーセントが回答している。
一生賃貸派の中で、今後転勤の可能性が「ある」と回答した人は50.7パーセントで、将来住み替え予定が「ある」と回答した人は46.0パーセント。一方、持ち家派はそれぞれ37.7パーセント、18.0パーセントが「ある」と回答した。
また、一生賃貸派の理由、第1位は「住み替えやすい」であり、持ち家派の理由、第1位は「資産になる」であった。そして、将来、家賃や住宅ローンが払えなくなるかもしれないという不安はあるかという問いに対しては、一生賃貸派も持ち家派も4割以上が「はい」と回答している。
これらの調査結果から、一生賃貸派が持ち家を持つという選択をしないのは、収入面からの難しさではなく、転勤などの可能性により、あえて家を持たないという選択をしていることがわかる。また、持ち家派の中にも転勤の可能性がある人が37.7パーセントと少なくはないものの、それでも持ち家が資産になることに魅力を感じている人が多いことが予測できる。子どもを持つサラリーマンが考える一生賃貸か持ち家かは、子どもの成長に合わせて柔軟に動きが取れる賃貸も良いといえるし、夫婦ひいては子どもの資産にもなりうる持ち家が良いとも考えられるから、その選択は難しい。(編集担当:中村小麦)