TPP参加検討 韓国

2013年09月12日 18:24

 韓国政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加の検討に入ったことを韓国政府の高官が明らかにした。

 しかし韓国政府は、今年6月に発表した「新通商ロードマップ」ではTPP交渉に当面は参加しない方向を示したばかりだ。TPPよりむしろ最大の貿易相手国である中国とのFTA(自由貿易協定)交渉を最優先としていたのだ。TPP参加交渉の方向にかじ取りをきったのは、米国の誘いがあったが、むしろ日本の交渉参加が大きく影響したと見る向きが多い。しかし交渉参加の道のりはそうたやすくないというのが実情だといえよう。

 まず国内世論をまとめることが大変だろう。どう反対派を説得できるかどうかが大きな課題となろう。

 次のハードルはTPP交渉参加12ヵ国(、日本、米国、オーストラリア、ニュージーランド、ペルー、チリ、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、メキシコ、カナダ)全てから同意が得られるかと言う事だ。これは相当難しいと言わねばならない。日本は賛成すると思われるが、他の11ヵ国のスタンスは現時点では不透明と言えよう。

 そして第3のハードルと言われるのが、90日間かかる米国議会の承認手続きだろう。交渉参加国は、年内の妥結を目指しており、韓国には残された時間はほとんどない状況だ。こうしたハードルとは他に、韓国政府の交渉参加は、は円滑に進みそうもない理由があるのだ。TPPで関税がなくなれば、日本の素材や部品、オーストラリアやニュージーランドの乳製品などが大量に安く入ってきかねないからだ。国内の酪農家などは大きな打撃を受けることになるだろう。

 こうした面での国内からの反発は必至と見られ、この辺を同政府がどう説得していくかが大きな課題と言えよう。

 TPP韓国交渉参加について、日本関係者の見方は、韓国が妥結ぎりぎりで、交渉に参加できたとしても、ほぼ合意内容は出来上がっている。それを丸呑みすることができるのか疑問だとする見方が多い。(編集担当:犬藤直也)