長妻昭元厚生労働大臣(民主党幹事長代行)は2020年の東京オリンピック・パラリンピックで使用された施設のその後の活用について「歴史上、最も高齢化が進んだ国での開催になると思うので、施設使用後は高齢者福祉や先進国では最も遅れている障害者福祉や子育て保育所施設などに転用するなど、福祉の都市を構築するような、温かみのあるオリンピックに」と15日のNHK番組で語った。
また「東京一極集中がさらに進んで地方が置いてきぼりになるということがないようにしないといけない」と語るとともに「(オリンピック関連の公共事業が)あまりに増えると、東北の震災復興に影響する」と懸念を示し「コストを最小限に抑えること」も求めた。
野党の番組出席者からはオリンピック開催準備にむけた事業に伴う震災復興への費用や人的、材的資源への影響を懸念し、長妻氏同様にコストをできるだけ抑制するよう求める意見が相次いだ。また大型公共事業など便乗事業がでないようけん制する声もあった。
日本維新の会の平沼赳夫国会議員団代表は「施設建設費だけでも4000億円かかるので、経済効果としては3兆円から150兆円まで(予測は)幅広いが、東京だけが(恩恵を)受けるのでなく、全国がオリンピックの経済効果を受けられるようにしていかねばいけない」とした。
日本共産党の山下芳生書記局長代行は「スポーツを通して国際平和と友好を促進するオリンピック精神の実現に努めること、とりわけアジア近隣諸国との緊張を打破していくことに取り組むこと」を政府に求めるとしたうえで「国民や都民の暮らしと調和のとれた無理のない取り組みが必要だ」とし「リニア新幹線など便乗型の大型開発の前倒しが取りざたされているが、そうしたことはやるべきでない」と便乗型公共事業の前倒しや引き出しをけん制した。
生活の党の畑浩治総合生活会議議長は「日本全体の活性化につなげるものにしなければならない。また被災地の方を無料で招くなどの工夫もほしい。また、被災地復興に支障を来たさないようコンパクトにしてほしい。ベイエリアでの開発なので、東日本大震災をしっかり踏まえて考えなければならない」とした。
与党の自民党の高村正彦副総裁は「オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭りなので、人間を元気にする。元気にすることが一番大切なので、オールジャパンで備えをしていく。そのこと事態が東京はもちろん、被災地を含めた全国の人たちを元気する。その元気さを世界に発信することが大事だと思っている」とし、公明党の石井啓一政調会長は「スポーツ振興、国際交流の促進、大震災からの復興を世界に示すチャンス」と位置づけ、成功に向け取り組む姿勢を示した。(編集担当:森高龍二)