民主党など野党6党の国会対策委員長は18日、東京電力福島第一原発事故による汚染水問題や消費税、TPPなどの状況について政府の対応を聞くため、閉会中審査として予算委員会と経済産業委員会を開くこと、合わせて10月中旬とされる臨時国会を前倒しして開くよう強く求めていくことで合意した。
一方、汚染水対策については、この日、民主党福島第一原発対策本部長の大畠章宏幹事長らが菅義偉官房長官に総理宛の汚染水問題に関する申し入れ書を手渡した。汚染水・廃炉では政府を後押ししていく意向を示した。
申し入れは国会対応・緊急対策・遮水壁対策・海外への情報発信・費用負担のあり方の5つの分野になった。
国会対応では速やかに閉会中審査を行い、臨時国会の前倒し召集を求めた。緊急対策ではボルト締め型タンクから溶接型タンクへ早急に切り替えを行うことや多核種除去設備(ALPS)等汚染水処理施設の増設を図り、汚染水漏れのリスクを早期に低減させること。世界の英知を結集して、汚染水対策に対応する体制を早急に講ずることを求めた。
遮水壁対策では設置とあわせてサブドレンの復旧・管理を汚染水対策の2本柱として進めること。乾式冷却の検討も含めドライアップなどの最終的な道筋を明らかにし、早期実現に向けて必要な取り組みを行うこと。地下遮水対策では原発サイト地下の岩盤構造や建屋周辺の地下水の実流速などの基礎データを明らかにし、内外に公表することを提案した。
情報発信については海外への情報発信が弱いために国際社会で不安が増大しているとし、日々の汚染水処理や流出に関する正確な情報を英語・中国語・韓国語などで国内外に適時かつ分かり易く発信することを提案。
費用負担などのあり方では、対策に国費を投じる場合に場当たり的対応でなく、東電との役割分担などの基準を明確にし、必要な部分について適切に国費を投入するスキームを構築することを提案した。民主党は汚染水問題や廃炉については政府を後押ししていくとした。(編集担当:森高龍二)