静岡県の川勝平太知事は「学校教育の責任は現場の先生にあることを明確にする」と全国学力・学習状況調査の小6国語Aで成績が全国平均を超えた86小学校の校長名を20日公表した。静岡県には小学校は507校ある。平均点を超えた学校は17%に過ぎなかった。
川勝知事は『成績最下位の学校の校長100人の氏名を公表する』としていたが教育長が公表を控えるよう求めたことから、逆に、平均値を超えた学校の校長名を公表した。
川勝知事は「よい教師に恵まれれば学校の教育水準はあがる。逆も真」とコメント。「子供の能力を引き出すのは先生方の仕事」と自覚を促した格好。
この結果、公表されなかった校長の学校は平均点以下だったことが明らかになり、教諭や保護者、児童がどう受け止めるか、教育への取り組みや心理的な影響についても注視される。
川勝知事は「実施要領では学校名の公表は禁じられている。校長名と学校名は同じだという主張があるが、それは誤っている。学校は変わらないが、校長・教師は異動する。よい教師に恵まれれば、その学校の教育水準はあがる」とした。
また「小学校の校長はその学校全体の教師の授業力・指導力をあげる責任をもっているので、責任をもっている者の氏名を公表した」とした。
川勝知事が成績最下位の校長100人の氏名を公表するとした際に学校の序列化につながるとして反対の声があがった一方で、校長・教員の教育能力や指導力を当事者自らが自覚し、一層の責任感を持って取り組む機会にもなると評価する受け止めもあった。全国から注目されていた。
川勝知事は「成績下位校の先生方に集中的に県の助力を傾注したい。弱いところを支え、強くすることがわたしの仕事だ」と積極的に相談に乗る姿勢を示しており、相談にきてほしいとしている。しばらくは静岡県教育界の動向が全国から注目されそう。(編集担当:森高龍二)