三越伊勢丹ホールディングス<3099>は、新規のビジネスモデルの開発の一環として、小型店舗、MI PLAZA(エムアイプラザ)のビジネスを展開していくと発表した。
同社は2012年2月以降、従来からある一部のサテライト店をモデル店として、店舗の魅力度アップと収益力向上の実現を目的としたトライアルを実施してきた。その検証結果を踏まえ、小型店ビジネスモデルを構築したという。
ターゲットとなる顧客は、店舗から半径2キロメートル 圏内に住む、何気ない日常生活の場面、場面にこだわりを持ち、新しい生活提案を常に求め続けている生活感度の高い女性だとしている。毎日の日常生活に潤いと豊かさを提供し、頻繁に気軽に利用してもらえることが目標だという。店舗のコンセプトは「cafeのようなnatural house」として、小型店ならではの提案をしていくという。
取り扱い商品は、雑貨と食料品に特化し、季節ごとの提案もしていくという。1号店は、東京都青梅市に約300平米メートルの売り場面積で9月にオープンする。続いて10月 には仙台市に2号店が約550平米メートルの規模で開店する。MI PLAZAは、「安心・信頼感」、「潤いと豊かさ」、「頻繁に気軽に」、「百貨店よりカジュアルに」という4つのキーワードに基づき、生活感度の高いユーザーに受け入れられる店づくりを目指すとしている。 売り場面積こそ異なるが、「MI PLAZA」のコンセプトとターゲットは、非常にスーパーマーケット「紀ノ国屋」の小型店舗に近いと思える。ただ、そうなると「三越伊勢丹」らしさのアピール力に欠けてしまい、ユーザーへの訴求力が弱まってしまうのではないかと危惧する。
自宅の近所に、「三越」、「伊勢丹」という「ブランド」がやって来るのを喜ぶユーザーはもちろん多いかもしれないが、それだけではユーザーを取り込むことは、特にこの時代難しいだろう。店舗のネーミングについても、こういっては、何だが、全く新鮮味がない。あの「伊勢丹・メンズ館」を成功させたポテンシャルは、残念ながら今回の「MI PLAZA」には活かせていないのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)