村田製作所が、携帯電話・スマートフォン用低消費電流送信モジュールの量産を開始したと発表。実装面積が従来品の50%減と世界最小、消費電流も最大20%抑制することに成功しているという。
LTE対応や多機能化により、搭載部品点数や消費電流が増加する傾向にある携帯電話やスマートフォン。こうした状況を受け高周波回路部では、よりコンパクトな設計をすることや、消費電流を抑えることが常に求められている。これらの要求に応えるものとして村田製作所は、世界で初めて、特定の周波数帯域の信号を取り出すための素子であるSAWフィルタ、高周波信号を送信する際に同信号を増幅させるパワーアンプ、スタビライザを1パッケージにした携帯電話用送信モジュールを開発。2011年7月より量産を開始していた。
今回量産が発表された新製品は、この送信モジュールにLTCC基板を用い、多層構造部分に周辺のチップ部品(カプラ、コンデンサ、インダクタ)を組み込むことでさらなる超小型化を実現。実装面積を従来品に比べ50%削減した世界最小の送信モジュールとなっている。また、スタビライザ(アイソレータ機能)を内蔵することで、低消費電流化も実現。携帯電話・スマートフォンの使用環境変動時の消費電流を最大約20%抑制することに成功した。
続々となされる携帯電話やスマートフォンに関連した技術の発表は、シーテック2012が今年も10月に開催されることと無関係ではないだろう。日本の持てる最先端技術が集結し、出会う機会の無かった技術同士が出会って相乗効果を生みだす契機となるシーテック2012。今後も暫くは、半導体業界から注目を集めるような発表が相次ぐのではないだろうか。