IDC Japanが2013年6月にインターネット上で行った調査によると、日本でのスマートフォン普及率がついに49.8%に達したという。しかしながら、Googleが世界で実施したスマートフォン利用調査などによると、日本の普及率は他国に比べてまだまだ低い。
日本では未だに、従来型のフィーチャーフォン、いわゆるガラケーの人気が根強く、とくに50代以上の高齢者の所有率は圧倒的に高いのが特徴となっている。
また、スマートフォン・ソーシャルメディアの市場規模やユーザー動向をリサーチ・分析するMMD研究所が7月に発表した調査結果によると、現在フィーチャーフォンを利用している人の63パーセントが「スマートフォンの必要性がない」と考えており、「月額料金が高い」、「端末代金が高い」などの理由で購入にも消極的であることがわかっている。
ところが、携帯キャリア各社の今夏の新機種には一切、フィーチャーフォンがラインナップされていなかった。NTTドコモが、ついにiPhone市場に参入するとあって話題となったほか、それに対抗するかのように4キャリア合わせて計21機種ものスマートフォンが発売されたが、フィーチャーフォンは、どのキャリアからも発売されなかったのだ。
市場はこのまま、今後はスマホ一色に染められるのかとも思われたが、今冬モデルでは各キャリアともに、新作フィーチャーフォンを改めてラインナップに加える方向のようだ。
10月2日、KDDIは冬モデルとなる新商品12機種を10月下旬以降に発売すると発表したが、その内訳としては、Androidスマートフォンが6機種、タブレットが1機種、Wi-Fiルーター1機種、フォトフレーム1機種、GPS端末1機種、そしてフィーチャーフォン2機種となっている。また、ソフトバンクモバイルも9月30日に発表した2013年冬春モデルの7機種の中にフィーチャーフォン2機種をラインナップし、11月下旬より順次発売するとしている。
頑固なフィーチャーフォンユーザーにとっては嬉しい限りだろうが、実は現在スマホを利用している人の中にも、使い勝手の面や金銭的な面を理由にフィーチャーフォンへの回帰や、タブレットとガラケーの二台持ちを望んでいる声も多いというから、今後、まさかの巻き返しもあるかもしれない。いずれにせよ、消費者にとっては選択肢が多いというのは喜ばしいことではある。(編集担当:藤原伊織)