相次ぐミャンマーへの自動車メーカー進出 リスクはないのか?

2013年10月14日 20:31

 マツダ<7261>が2014年前半にミャンマー市場に再参入することが決定していたり、日産自動車<7201>が、15年からミャンマーで「サニー」の生産することを決めたりと、日系自動車メーカーによる同国への進出が相次いでいる。そんな中、今度は三菱自動車<7211 >が、現地法人を通じた新車販売事業に参入する。同社は13年5月に、ヤンゴンにサービスショップを開設し、中古車市場で流通している三菱車に対するアフターセールス事業を先行して開始していた。

 ミャンマーでは2013年4月より商用車の税制が65%から13%に大幅に下がり、輸入制限が緩和されたことを受け、タイで生産しているピックアップトラック『L200』を完成車としてミャンマーに輸入し、販売を開始する計画だ。

 また今後、取り扱い車種を順次増加させるとともに、販売店の設置、サービス網の整備・拡充も並行して推し進めながら、急速に拡大することが見込まれるミャンマー自動車市場における三菱自動車ブランドの確立・向上を図っていくとしている。

 今年の5月に、日本の首相として36年ぶりに安倍総理がミャンマーを訪問して以来、何かとミャンマーの今後の経済成長がもてはやされている。しかしながら、同国の政治や治安は、未だ安定しているとは言い難い。例えば、先月末には、少数民族をめぐる宗教間のトラブルが起きている。西部のラカイン州南部のサンドウェイなど複数の町で住民同士の武力衝突が発生し、死者も出ている。

 軍事政権が終わりを告げ、民主化、そして経済開放を進めているミャンマーだが、まだまだ不安要素も多い。民主化以降、多くの外資系企業が視察に訪れているが、いずれも慎重で暫定的な動きにとどまっているようだ。そんな中での積極的な日系企業の動き。もちろん他国に先んじる重要性も理解できるが、それと同じようにリスク管理にも重きを置くべきだろう。(編集担当:久保田雄城)