不動産投資市場の世界ナンバー1はニューヨーク 東京は4位

2013年10月14日 20:43

 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(米国・ニューヨーク)は世界の都市別不動産投資に関する年次レポートWinning in Growth Citiesを公表した。このレポートは2013年6月末までの1年間についてのもの。

 総合1位はニューヨークで、3年連続で世界最大の不動産投資市場の座を維持した。年間投資額は前年同期比39%増の492億米ドル(約4兆9200億円)。2位はロンドンは6%増の323億米ドル(約3兆2300億円)。ロサンゼルスが躍進し3位。東京は昨年の3位から4位に下がった。香港はリテール、ロンドンはオフィス、ロサンゼルスは物流セクターでそれぞれ首位だった。
 
 国際不動産投資市場は前年同期比16.7%増加し6,490億米ドル(64兆9000億円)となった。上位25都市(トップ25)への投資は20.7%増加する一方、その他の都市への投資は12.1%増にとどまった結果、トップ25のシェアは53%から55%に上昇している。

 トップ25は、コアグローバルシティとしての投資リスクの低さゆえに投資家に選好されてきている。しかしトップ25のシェアは2013年第1四半期の 58%から第2四半期には50%にダウンしている。これは、投資家が新たな収益機会を求めて、これらコアグローバルシティへの重点投資戦略を見直しはじめた兆候かもしれないとしている。
 
 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)会長のカルロ・サンタルバーノは次のように述べている。「不動産需要は増加・拡大する。そして投資家はリスク許容度を高め、新たな市場を求めてより多くの投資が国境を越えることを多くの指標が示している。米国の景気回復が引き続きすべての経済圏の信頼と成長を牽引する支えとなるなら、次年度は景気刺激策や景気回復がテナント需要を伴って良質な空間の資本価値を上昇させるだろう。ほとんどの市場にとって好ましい結果になると予想される。」
 
 トップ25の顔ぶれは昨年度からわずかに変化した。北京(中国)とストックホルム(スウェーデン)が圏外に去り、デンバー(米国)とフランクフルト(ドイツ)がランクインした。投資の増加率が大きかったのは、オースティン(米国テキサス州)、ミラノ、ラスベガス、モントリオールとタンパ(米国フロリダ州)で、増加率が大きかった上位25都市のうち15都市を北米が占めた。

 これは、主に北米の景気回復の前兆と国内資本の大きさに起因している。残る10都市のうちアジア太平洋勢は、ソウル、パース(豪)、ブリスベン(豪)、シドニー、名古屋、大阪の6都市だった。

 トップ10のうち大きく順位を下げたのはパリで昨年度の4位から8位に後退した。順位を下げた他の主要都市としてトロントとシカゴが挙げられるが、より顕著なのは中国の上海、北京、広州、成都、天津で、開発用地の販売を除きいずれも40%以上の投資減少となった。これはクロスボーダー投資よりも主に国内支出の削減によるものだ。(編集担当:久保田雄城)