総理 所信表明でデフレ脱却と安全保障前面に

2013年10月15日 20:00

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第185回臨時国会が15日召集され、安倍晋三総理が衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。

 第185回臨時国会が15日召集され、安倍晋三総理が衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。安倍総理は冒頭に「景気回復の実感は未だ全国津々浦々まで届いていない。日本の隅々にまでこびりついたデフレからの脱却は道半ば」とし、「この道を迷わずに進むしかない」とデフレ脱却のための経済成長戦略を推進する考えを強くアピールした。また「世界が日本の復活に注目している」と語った。

 演説の中で、安倍総理は「強い経済を取り戻すことは被災地にも大きな希望の光をもたらす」とし、復興への取り組みと将来の大規模災害に備えた強靭な国づくりを進めるとした。東京電力福島第一原発事故の収束へ「廃炉と汚染水対策を全力でやりぬくとし、東京電力任せにせず、国が前面に立って責任を果たしていく」とも述べた。

 安倍総理は「起業・創業の精神に満ち溢れた国を取り戻すこと。若者が活躍し、女性が輝く社会を創り上げる」とも述べ、「企業実証特例制度を創設し、あらゆる分野において、フロンティアに挑む企業には新たな規制緩和により、チャンスを広げる。今後3年間を集中投資促進期間と位置付け、税制・予算・金融・規制制度改革といったあらゆる施策を総動員して」後押ししていく考えを示した。

 農業政策では「狭い農地がバラバラに散在する現状では意欲ある農業者ですら、コストを削減し、生産性を向上することはできない」とし「都道府県ごとに農地をまとめて貸し出す、農地集積バンクを創設する」考えを表明した。安倍総理は農業の6次産業化をすすめ、今後10年で農業・農村全体の所得倍増をめざす」と述べた。

 安倍総理は消費税増税を来年4月から実施することを語るとともに、これから実施する経済政策パッケージは「目先の景気を押し上げるための一過性のものではなく、賃金上昇と雇用拡大などを実現するための未来への投資」と強調した。

 安全保障政策については「世界の平和と安定に積極的な責任を果たすことなくして、もはや我が国の平和を守ることはできない」とし「現実を直視した外交・安全保障政策の立て直しを進める」と集団的自衛権の解釈改憲や特定秘密保護法案などを意識した表現を盛り込んだ。

 また国会改革では「定数削減を含む選挙制度改革について、現在のこう着状況を打破し、結論を得ようではありませんか」と呼びかけた。憲法改正については「国民投票の手続を整え、国民的な議論を更に深めながら前に進んで行こうではありませんか」と提起し、「決める政治によって、国民の負託に応えていこう」と呼びかけた。(編集担当:森高龍二)