金融庁は5日、午前9時までに、三大メガバンク、三菱東京UFJ銀行(三菱UFJFG)<8306>、みずほ銀行(みずほFG)<8411>、三井住友銀行(三井住友FG)<8316>に対して一斉検査を開始した。みずほ銀行については、専従の検査官も派遣している。
麻生太郎金融相は、同日、午前の閣議後の記者会見で、みずほ銀行が反社会的勢力(暴力団)との取引を把握していたのは、当時の上野徹郎副頭取ら法令順守担当までだったと説明していたことが事実と異なっていた問題について、「はなはだ望ましくない話」と不快感を露にし、「みずほ銀行については提出された業務改善計画の十分性について検証する」と改めて検証を行うことを示唆している。
みずほ銀行による暴力団融資が発覚したのは、金融庁が、9月27日にみずほ銀行グループの信販会社・オリエントコーポレーションの自動車ローン等で暴力団等の反社会的勢力との取引を知りながら放置したとして、同行に業務改善命令を発動したことからだ。その取引とは、2010年12月に、暴力団の構成員が中古車購入の際に組んだローンが中心で、その件数は230、融資総額は約2億円に上る。
今回の金融庁による検査は、3行を「暴力団排除」という同じテーマでチェックする初めてのものであり、金融庁がいかに、この問題に重きを置いているのかがわかる。また、この他、3行に共通するテーマとしては、経営陣の目がくまなく組織全体に行き届いているか、金融危機が起こった場合も各行の健全性は保持されるか、中小企業への融資も公正に行われているかどうかも検査する。(編集担当:久保田雄城)