秘密保護法26条「密告のすすめ」

2013年12月16日 17:41

 日本共産党の志位和夫委員長は公布された特定秘密保護法の第26条の規定で「(共謀者が)自主したときは、その刑を軽減し、または免除する」としていることから「密告の勧め」とし「密告・相互監視社会を許してはならない」と同法の廃止を呼びかけている。

 自由法曹団の森孝博弁護士は共産党機関紙の取材に答えて「刑法42条1項に罪を犯したものが発覚する前に自首したときは、その罪を減刑できるとしているが、秘密保護法は軽減または免除するとして、免除まで認め、減免できるではなく、減免すると約束している。また、自主減免を未遂と共謀に適用するので、共謀を例にすると、複数の人がかかわっていることについて、その中で1人が密告すれば、密告者は減免が認められ、残りは共謀罪で一網打尽にされる」と説明。

 そのうえで「もともと、違法な情報収集をする公安警察に、スパイ行為などのお墨付きを与えるのが秘密保護法の自首減免規定。こうした違法行為をこの機に乗じてできるようにしたのがこの規定の狙い」と警鐘を鳴らす。

 特定秘密保護法が廃止になる可能性は政権交代でもない限りないが、法の適正運用を監視する独立性の高い第3者機関の実効がより重要な役割を担うことを改めて浮き彫りにしている。(編集担当:森高龍二)