18日の東京市場は日経平均が19.99円高の9848.87円で始まった。NYダウは財政の崖問題の進展を好感して100ドルの大幅高だが為替のドル円が少し円高に戻して83円台になった分、上げ幅は抑えられた。「薄商いで値動きの小さい火曜日」でモタモタするかと思いきや、前場で9900円台にあっさり乗せ、尻上がりに上昇。新政権への期待が強く、先物の買いも主力株の現物買いも集まった。午後1時前に「自民党本部で安倍・白川会談」と報じられた後場は円安が進行して日経平均も9950円を突破し、最高値9967円と1万円まであと33円まで迫ったが、白川総裁が「今日は挨拶程度」と繰り返すと円ドルも株価も熱気が冷めて下落。金融政策決定会合前では内容は明かせないだろう。終値は94.13円高の9923.01円で、8ヵ月半ぶりに9900円台を回復している。売買高は34億3000万株でメジャーSQ日の14日をも超える活発な商いになった。売買代金は1兆7423億円。
売買高5位に入った野村HD、大和証券Gなど証券株が追加金融緩和期待でにぎわい、光世証券という大阪・北浜で債券主体に手堅くやってきた渋い会社が値上がり率5位に入った。三菱UFJ15円高、三井住友FG91円高と銀行株も堅調。前日悪かったパルプ・紙も反転した。26円高で6日続伸のシャープと35円高の東京電力は前日の続きのように上昇。シャープは売買高、売買代金ともに1位で、東電は信用買い残がふくれあがっている。シャープと反対にパナソニック、ソニーは下げた。
自動車株はトヨタが年初来高値を更新し、ホンダ、いすゞも上昇。ソフトバンク、ファーストリテイリングは上がったが、ファナックは売られている。精密株のキヤノン、リコー、中国関連株のコマツは非常に好調だった。建設株は大成建設、清水建設など大手ゼネコンも買いを集め、不動産大手の三井不動産、三菱地所、住友不動産は後場、「安倍・白川会談」のニュースで盛り上がって年初来高値を更新した。
前日良かった電力株は、東電以外は関西電力、中部電力がともに41円安で、東北電力は59円安で値下がり率1位だった。セブンアイHDなど小売も総じてふるわなかった。
今日は全面高だったのでよけいに下落が目立ったのが電子部品関連で、日東電工が250円安で値下がり率4位に入り、日本電産、村田製作所、TDKが揃って3ケタの下落。太陽誘電も続落した。パソコンの需要減速懸念や前日のアップル株の下落が影響したようだ。(編集担当:寺尾淳)