【日経平均】マイナーSQは大引け前プラス浮上で31円高

2014年01月10日 20:14

 9日のNYダウは17ドル安。新規失業保険申請件数が市場予測以上に改善して高く始まったが、雇用統計を見きわめたいと利益確定売りに押された。イエレン次期FRB議長が「今年の成長率は3%」と高めの数字を出したことも量的緩和縮小ペースが早まる観測を呼び株価を抑えた。小売各社の12月の既存店売上高は軒並み市場予測を上回りクリスマス商戦は好調だった模様で、百貨店メーシーズは7.6%の大幅高。10日朝方の為替レートはドル円は104円台後半、ユーロ円は142円台後半で年明けから為替の動きが小さい。

 東京市場は「マイナーSQ」の日。日経平均は95.18円安の15785.15円で始まるがすぐに15800円を超え、午前9時7分に15850円を超え、14分に15784.81円のSQ値が出た。20分にはプラスに浮上したが長続きせず、15850円近辺でしばらくもみあった後、10時すぎに15800円もSQ値も一気に割り込んで「まぼろしのSQ」を消すSQらしい乱高下。最近、「10時ホイッスル」で日経平均が大きく変化する日が多い。10時7分の15754円で下げ止まり、SQがらみの売買も一段落して10時30分頃から15800円前半でほぼ水平飛行に入る。前引けは15851円だった。

 後場は開始2分後にプラスに浮上し、前場はあと一歩届かなかった15900円台に乗せるが、これもまた長続きせず。麻生財務大臣の「法人税の実効税率の引き下げは財政問題などで課題が多い」というコメントも効いたようで午後1時頃からマイナス圏深く15820円近辺まで下落。プラスにタッチしてもすぐに下落する。底堅いが、利益確定売りの金曜日で、しかも三連休前。アメリカの雇用統計発表待ちの様子見ムードもぬぐえない。ところが大引け前に一気にプラス圏に浮上し15900円も超え、終値は31.73円高の15912.06円と反発し2勝3敗、大納会終値から379.25円下落して2014年最初の週の取引を終えた。日中値幅は168円。TOPIXも+1.73の1298.48と反発した。売買高は32億株で3日連続で30億株を超えたが、売買代金は2兆9337億円で3兆円の大台にわずかに届かなかった。

 値上がり銘柄842、値下がり銘柄793とほぼ拮抗。33業種騰落率は20業種が上昇、13業種が下落し、上昇業種上位はその他製造、ゴム、銀行、非鉄金属、情報・通信、輸送用機器など。下落業種下位は鉱業、電気・ガス、不動産、保険、パルプ・紙、鉄鋼などだった。

 日経平均採用225種は値上がり100銘柄、値下がり110銘柄と数の上では値下がり優勢。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で寄与度+51円と突出。2位はソフトバンク<9983>。マイナス寄与度1位はファナック<6954>で、2位はトレンドマイクロ<4704>だった。

 みずほ<8411>5円高、三菱UFJ<8306>5円高、三井住友FG<8316>30円高とメガバンクは堅調。足利HD<7167>は60円高で値上がり率5位に入り、銀行セクターは騰落率3位。証券は野村HD<8604>4円安などあまりふるわない。久々にノンバンクのオリコ<8585>が値上がり率8位とランキング入りし18円高。若手の基本給を3%昇給させるオリックス<8591>は5円高。消費税と同率のアップなら「ツーペイ」か。

 20円高のトヨタ<7203>は、年明けから終値が6270~6300円のわずか30円幅のボックス圏に閉じ込められた「箱男」。マツダ<7261>はSMBC日興証券がレーティングと目標株価を引き上げ36円高の大幅高で値上がり率11位。大納会の日の昨年来高値を更新し、売買高、売買代金とも2位の大商いだった。電機の好調なお続き、NEC<6701>は16円高で売買高6位、値上がり率14位に入り7連騰、OKI<6703>は1円高だが8連騰、パナソニック<6752>は23円高で9連騰。パイオニア<6773>も13円高でシャープ<6753>は5円高。しかしソニー<6758>は59円安でカヤの外だった。