マークXをベースに専用6速マニュアルトランスミッション2GR-FSE型3.5リッターV型6気筒DOHCエンジンと組み合わせて搭載したスペシャルチューンドモデル「GRMN MARK X CONCEPT」
トヨタが千葉・幕張メッセで開催した世界で最大級のカスタムカーの展示イベント「東京オートサロン2014 with NAPAC(TAS)」で、なかなか魅力的なスポーツセダンを展示していた。「GAZOO Racing tuned by MN(通称:GRMN)」は、トヨタの豊田章男社長もドライバーとして名を連ねるGAZOO Racingの
ドライバーによって車両開発の聖地と呼ばれるニュルブルクリンクなどを舞台に鍛え上げ、味付けを行ったクルマのブランドだ。そのGRMNが提案するコンセプトカーで「GRMN MARK X CONCEPT」だ。
これはトヨタ・マークXをベースに、市販モデルには存在しない専用マニュアルトランスミッション(6速)と2GR-FSE型3.5リッターV型6気筒DOHCエンジンを組み合わせたスペシャルチューンドモデルだ。
パワーユニットは専用チューニングを受け、出力&トルクともにアップ。その数値は市販車以上と表現されている。合わせてサスペンションやブレーキシステムも専用チューンを受け、トルセンLSDを追加したドライブトレーンを採用。「走る楽しさ」と「操る歓び」を堪能できるスポーツセダンとなったという。19インチホイールに前後異径タイヤ(前235/40R19/後265/35R19)と専用にカスタマイズされたエクステリアはマットなグレーに塗られ凄みと迫力は十分とみた。
国産セダンはハイブリッド車以外苦戦を強いられているが、海外勢、なかでもドイツ車のセダンは絶好調だ。そこには、AMGやM Sportsというスーパースポーツと渡り合えるスポーツセダンがフラッグシップとして存在している。ドイツ製セダンには、マルチシートのセダンであってもドライバーを愉しませるスポーツ性とパーソナル感があるのだ。メルセデスには、完全にショーファーカー(運転手付きで使われるクルマ)であるSクラスのロングホイール版に最も強力なパワーユニットを搭載したS65 AMG Longがあり、搭載エンジンは6リッターV型12気筒DOHCで、630ps(463kW)の圧倒的なパワーと102.0kg.m(1000Nm)のトルクを発生する。
ドイツ製セダンに目をやると国産セダンに足りない要素が確かにあるのだ。「GRMN MARK X CONCEPT」は、そんなコトを教えてくれる一台だ。是非とも市販してスポーツセダン・ファンの期待に応えてほしい。(編集担当:吉田恒)