トヨタ「ノア」「ヴォクシー」対策? 国産ミニバンNo.1「セレナ」が大規模マイナーチェンジ

2014年01月09日 19:54

Nissan Serena

昨年末の12月25日に急遽発表されたビッグマイナーチェンジした日産セレナ。

 2013年12月25日、日産自動車が同社でナンバーワンの売上実績を持ち、国産ミニバンとして毎年トップの販売を達成してきたセレナを大規模にマイナーチェンジしたと発表した。同車は、2011年に8万4359台、2012年には9万6020台、2013年1-11月期に8万9971台を販売し、日産車としてトップの台数を販売し続けている。

 年末12月の最終週に、こうして人気モデルをマイナーチェンジして発表、同時に発売するというのはなかなかめずらしいパターンだ。しかも、2012年8月にはパワーユニットの大規模なマイナーチェンジを実施し、「20S」グレードを除くFF車に新開発のスマートシンプルハイブリッド「S-HYBRID」を搭載、商品力をアップさせていた。

 「S-HYBRID」は2リッター直4DOHCの直噴ガソリンエンジンにエクストロニックCVTを組み合わせたハイブリッド車。省燃費対策のためのアイドリングストップ機構で使う、エンジン再始動のためのモーターにECOモーターを採用、スムーズで静かな再始動が評判だ。「S-HYBRID」は、そのECOモーターをエネルギー回生発電機とアシストモーターの両方に使ってしまうという逆転の発想が生んだシンプルで、ある意味画期的なハイブリッドシステムだ。いわゆる簡易型パラレルハイブリッドと言えそうなシステムなのだ。また、ECOモーターで回生した電力を蓄えるバッテリーもエンジンルームに収めて、ミニバンとしてのメリットである室内空間を犠牲にしていない。

 さて、今回のマイナーチェンジのメニューは、外観デザインの大幅な変更と安全装備の標準化がメインとなる。

 エクステリアの変更はフロント周りでフロントグリル&ヘッドライト、バンパー形状まで一新し、リアコンビLEDランプ、サイドシル&ホイールデザインまでもが変わっている。この辺りは、ユーザーの好みの問題なので大きなスペースでの説明は避ける。

 安全装備に目を移すと、メインメニューは前方衝突回避支援システムの「エマージェンシーブレーキ」と車線逸脱警報「LSW」を「20S」グレードを除く全車に標準装備したことがニュースだ。これによって、従来から全車標準だったVDC(ヴィークルダイナミクスコントロール:横滑り防止装置)などとともに、現状で考えられる一般的な安全装備は標準化したこととなる。また、「MOD(移動物検知)」機能を追加した「アラウンドビューモニター」や「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ふらつき警報」を「アドバンスドセーフティパッケージ」としてオプション設定した。

 この日産セレナのビッグマイナーチェンジ、間もなくフルモデルチェンジして登場するトヨタ「ノア」「ヴォクシー」のハイブリッド軍団への準備であることは明らかで、今後のトヨタvs日産の「5ナンバーミニバン対決」を注視しようではないか。加えて、秋には低床ミニバンの雄「ホンダ・ステップWGN」がフルチェンジする。(編集担当:吉田恒)