10~20代の献血者数は10年で40%ダウン

2012年12月19日 08:57

 日本赤十字社によると、2011年の献血者の延べ人数は525万人。40代、50~60代の献血者は5年連続増加し、そのうち40代は137万人と26.2%を占め初めて年代別のトップを飾った。一方10~20代の献血者数は132万人と過去最低を更新。10年前より約40%も減少し、若者の献血離れが深刻な問題となっている

 現在、輸血を必要とする人口は年々増加し、1日平均3000人もの人が輸血を受けている。少子高齢化に歯止めがかからない日本では、ますます輸血用血液製剤の不足が懸念されており、安定した血液供給のためにも、10~20代の若者も含めた献血者の協力が必要となっている。厚労省は「若いうちに献血の経験があると、繰り返し行いやすい傾向がある」として、2014年度までに献血率を、10代後半で6.4%、20代8.4%にアップすることを目指すという。

 ところで血液に有効期間があることをご存知だろうか?献血した血液は遠心分離され、「赤血球製剤」「血小板製剤」「血漿製剤」などの輸血用血液製剤として使われているが、赤血球は21日間、血小板はなんとたったの4日間しか保存できない。しかも献血者の健康を守るためにも、次回の献血までに一定期間を空ける様に定められている。200mlの全血献血をした場合は4週間後。400ml全血献血をした場合は、同量全血献血をできるのは男性で12週間後、女性は16週間後。1人が積極的に献血しても、量的に限度があるため、常に献血の協力者が求められている。

 最近の献血ルームは、出入りしやすいカフェスタイルのところや、イベントが開催されているところもある。なかでもイベントは企業等の協力を得て実施され、スイーツサービスや占い、マッサージ、お肌診断などその内容は多種多様となっている。また、献血された血液は血液型検査や感染症予防のため、抗原・抗体検査などコレステロール値、タンパク、肝臓の酵素ALT値など生化学検査などを行う。その結果は後日郵送してくれるので、自分の健康状態も把握できる。もちろん検査目的として献血するのは本末転倒で、あくまで社会貢献という気持ちで行いたい。

 人工的に作ることが出来ず、長期保存もできない血液。献血にかかる時間は、受付から採血後の休憩までわずか15~40分(400mlの場合)、痛みも少ない。健康な人なら誰でもできる身近なボランティアともいえる献血。ちょっとした勇気と時間があればできる行動で救われる命があるということを、多くの若者たちに繰り返し伝えていくことが、血液不足の問題改善への第一歩になるのではないだろうか。