今年最少件数に 震災関連の倒産8月29件

2012年09月04日 11:00

 東京商工リサーチは3日、東日本大震災による関連倒産が8月は29件と今年最も少なくなったと発表した。4ヶ月連続して前年同月を下回った。負債総額は112億3000万円だった。

 それによると負債総額1000万円以上の倒産は29件で、8月の倒産事例では「遊覧船運航の十和田湖観光汽船(青森県)が団体客減少などで業績低迷が続き、これに震災で観光客の予約キャンセルが相次ぎ、売上げ減少に歯止めがかからず民事再生法の適用を申請した」ケースや「地ビール製造の日光ビール(栃木県)が観光ホテルなどを販売先にしていたが、震災による観光客減少が痛手となり需要が減少して事業停止に追い込まれ、自己破産を申請して8月に破産手続き開始決定を受けた」などをあげた。

 東京商工リサーチでは「震災関連倒産は収束の気配を見せ始めているが、震災後に事業を停止していた企業が事業継続を模索しながらも断念するケースが増えつつある。このため、当面は緩やかな減少ペースで推移していくとみられる」と今後も件数は減っていくものの倒産の発生を続くとみている。(編集担当:森高龍二)