30日のNYダウは109ドル高と反発。アメリカの10~12月期の実質GDPが発表され、個人消費も輸出も好調で市場予測を上回る3.2%増。決算が良かったフェイスブックが14.1%上昇し、スポーツ用品のアンダーアーマーは好決算で22.9%の大幅高。VISAも買われた。ソチ五輪開幕を1週間後に控えてルーブルを防衛するためロシア中央銀行が無制限介入の方針を示し新興国通貨も下げ止まった。31日朝方の為替レートはドル円は102円台後半、ユーロ円は139円台前半で前日比でドルは高く、ユーロは安くなった。
取引開始前に12月の経済指標がまとめて発表された。有効求人倍率は11月を0.03ポイント上回り1.03倍で6年3ヵ月ぶりの高水準。失業率は11月を0.3ポイント下回り3.7%と、雇用状況は市場予測を超える改善ぶり。家計調査の実質消費支出は11月を0.5ポイント上回って0.7%だったが市場予測に届かなかった。12月の全国消費者物価指数(CPI)は11月を0.1ポイント上回る+1.3%で市場予測より良く7ヵ月連続プラス。2013年通年では+0.4%で2008年以来5年ぶりのプラスだった。1月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は+0.7%。商業販売統計速報は前年同月比+2.9%。スーパーは+0.6%、百貨店は+1.4%、コンビニは+4.9%で、デパートの高額商品とコンビニの新店が引っ張る構図が明確。通年では+0.9%。鉱工業生産指数は+1.1%で市場予測を0.2ポイント下回り、通年では-0.8%と低調だった。
新興国通貨の落ち着き、NYの株価反発、好調な雇用、消費指標を受け日経平均は125.17円高の15132.23円で始まる。午前9時台はおおむね15100~15150円の範囲で動いたが、10時台になるとドル円が徐々に円高方向に振れて日経平均は値を切り下げる。旧正月の元日なので上海、香港をはじめアジアの大部分の株式市場は休場。15000円を一時割り込んで11時ジャストに14998円の安値をつけるが、TOPIXは終始プラスを維持して堅調で、前引は15029円だった。
しかし後場は再開後すぐに15000円を割り込んでマイナスになり、午後0時45分には14900円を割り込み3ケタ安。TOPIXも前日終値を割り込んだ。その後は安値を何度も塗り替え、1時30分には14800円も割り込んで14794円まで下げる。円高が急激に進んだわけではないが新興国経済への不安は完全に消えておらず、大口投資家が「週末、何があるかわからない」とポジション整理に走ったためかまとまった先物売りが出た。2時台に入っても下げ圧力は止まらず2時5分に1月最安値の14764円をつける。それでも2時30分頃から月末最終日の「ドレッシング買い」がようやく出動なのか下げ幅を急速に圧縮し、14900円台に乗せ92.53円安の14914.53円で今週の取引を終えた。3ケタ高から3ケタ安まで振れたので日中値幅は379円。週の星取は1勝4敗で、前週末比は477円安で4週連続の下落。大納会の終値と比べた月間トータルの騰落は1376円安で、1月は不調だった。TOPIXは-3.45の1220.64。売買高は30億株、売買代金は2兆8427億円だった。
東証1部の値上がり銘柄は694で4割近くを占め、値下がり銘柄は948。33業種別騰落率は上昇6業種、下落27業種。上昇したのは空運、食料品、電気・ガス、医薬品、サービス、金属製品で、下落業種の下位は海運、その他金融、証券、倉庫、非鉄金属、不動産などだった。
日経平均採用225種のプラスは59銘柄、マイナスは159銘柄。プラス寄与度1位は172円高の日東電工<6988>で+6円、2位は4~12月決算が純利益23%増と好調で171円高のJT<2914>で+6円。マイナス寄与度1位は655円安のファーストリテイリング<9983>で-25円、2位は4~12月期の純利益は過去最高の3180億円だったが通期の営業利益見通しが市場予測を下回り209円安のKDDI<9433>で-16円、3位は日経新聞の1面で「電力小売参入」と大きく報じられ高く始まったが、結局112円安で8日続落のソフトバンク<9984>で-13円だった。