27日のNYダウは41ドル安。午前中はキャタピラーの好決算を好感して高かったが、その後は新築住宅販売件数の前月比7%減を嫌気して下落。午後に買い戻しが入ってプラスになってもFOMC前にポジションを持つのを避けようと終了直前に売られ結局マイナスという展開。5日続落したが、トルコ中央銀行が臨時会合を開くと決め利上げ観測が出るなどして新興国通貨が下げ止まり、恐怖指数(VIX指数)が低下して株式市場にも買い戻しが入った点に「リスクオフ一服」の気配も漂う。アップルは取引終了後発表した決算が失望売りを誘い時間外取引で7%を超える大幅下落。28日朝方の為替レートは、ドル円が102円台半ば、ユーロ円が140円台前半で、前日夕方とほぼ同じ水準だった。
CME先物清算値は14985円。外資系証券経由の売買注文動向は株数ベースで10日ぶり売り越しでも、日経平均は32.91円高の15038.64円で始まる。しかし午前9時4分には15000円を割り込みマイナスに。9時7分の14952円で下げ止まり15000円の大台手前で小動き。9時30分すぎにはプラスに浮上して右肩上がりの上昇をみせたが、またもや「10時ホイッスル」でマイナスまで急落。目覚まし時計のように10時かっきりに先物の仕掛け売りが入った。しかし15分後には元の値段まで戻った。上海、香港がともに反発スタートすると日経平均も10時40分には15088円まで上昇。その後は下げてもマイナスにならず前引けは15020円だった。TOPIXは前場ほとんどの時間でプラスを維持した。
後場も小幅プラスで始まりおおむね15000~15060円の狭いレンジで小動き。午後1時30分すぎ、2時30分すぎに15000円を割り込んでもすぐ戻す。しかし大引け前にはTOPIXとともにマイナスになったりプラスになったりし、結局25.57円安の14980.16円で15000円台を守りきれず4日続落。日中値幅は136円だった。直近3営業日で日経平均が終値ベースで815円、ザラ場ベースで1025円も下落するとさすがに底堅いが、それでも「FOMC待ち」には勝てない。大引け直前の売りでTOPIXは-4.92の1224.31で安値引け。この日、2本の連動ETFが東証に新規上場した「JPX日経400」の終値は-39.93の11063.94で、これも安値引け。売買高は27億株、売買代金は2兆6790億円だった。
値上がり銘柄は651、値下がり銘柄は956で、値動きなしが172と1割近くを占めた。値上がりセクターは8業種でその上位は機械、小売、非鉄金属、不動産、倉庫、ゴム製品など。値下がりセクターは25業種でその下位は情報・通信、鉱業、空運、電気・ガス、建設、その他製品などだった。
日経平均採用225種は値上がり89銘柄、値下がり120銘柄。プラス寄与度1位は3月5日に香港市場に上場するファーストリテイリング<9983>で+20円、2位はダイキン<6367>で+4円。マイナス寄与度1位は後場に売り込まれ198円安のソフトバンク<9984>で-23円、2位はクレディスイスがレーティングを引き下げ184円安で5日続落のKDDI<9433>で-14円。この2銘柄が情報・通信セクターを騰落率最下位にした。
メガバンクでは、三菱UFJ<8306>はゴールドマンサックスが自社株買いを想定して目標株価を引き上げたが2円安。みずほ<8411>、三井住友FG<8316>はともに4円安。野村HD<8604>も2円安だった。3月に臨時ボーナスを出す松井証券<8628>は9円高。自動車は4月の生産台数を消費増税の反動減を見込んで1~3月平均の10%減とすると発表したトヨタ<7203>が21円安、ホンダ<7267>は34円安だったが、マツダ<7261>は7日ぶりに反発し5円高。富士重工<7270>も30円高だった。
政府がIC乗車券システムをODAでアジア諸国に供与するニュースがあり、ソニー<6758>はそれに利用される電子マネー「フェリカ」の技術を持っているが、ムーディーズが発行体格付けを「投機的」等級に格下げした影響のほうが深刻で46円安。ジャンク扱いをソニーOBの甘利大臣まで嘆いていた。パナソニック<6752>はプラズマディスプレイの生産拠点を売却すると報じられ17円高。この銘柄はリストラするたびに投資家が喜ぶ。シャープ<6753>はアップル関連銘柄でもあり12円安だった。