【日経平均】トルコが利上げしたおかげで403円の大幅高

2014年01月29日 20:18

 28日のNYダウは90ドル高。耐久財受注額が市場予測を下回ってもCB消費者景気信頼感指数は80.7と好調で、アップルが大幅安でもフォードが通期で増収増益、デュポンの10~12月期の純利益は前年比ほぼ倍増、2ケタ減益のファイザーも調整後1株あたり利益は市場予測よりも上でそれぞれの株価は上昇し、NYダウは終日プラスで推移した。それでも3ケタ高にも16000ドル台回復にもならないのはやはり「FOMC結果待ち」か。

 前日のインドに続き、取引開始直前にトルコ中央銀行が4.25%の大幅利上げで政策金利を12%にすると決定し、29日朝方の為替レートはドル円が103円台前半、ユーロ円が141円台前半にはね上がった。為替の円安を背景に日経平均も184.18円高の15164.34円で始まる。すぐに15200円台に乗せておおむね15250円までの範囲で推移し、TOPIXの上昇幅も+20を超えて順調。中国の「シャドー・バンキング」がらみの金融商品「理財商品」が春節当日の31日にデフォルトになるという縁起の悪い懸念も後退し、上海は続伸スタートし香港市場も反発。しかし為替の円安が一服しFOMC待ちもあるので15000円台前半の横ばい推移がずっと続く。前引けは15240円で前場の値幅は95円だった。

 昼休みの先物の上昇に導かれ後場寄りすぐに15300円台に乗せ、TOPIXは1250を突破。15300円前後の小さな値動きが続くが、午後2時前から水平飛行の機首が上を向き15330円突破。いったん凹むが、2時30分頃からの上昇で15350円を突破し、終値は403.75円高の15383.91円の高値引けで5日ぶりに反発した。日中値幅は224円に拡大。五輪招致に敗れても東京を祝福してくれた親日国トルコのおかげで日経平均は大幅上昇したが、その陰でトルコ経済は高金利に苦しむことになる。TOPIXは+31.87の1256.18。売買高は23億株、売買代金は2兆4778億円だった。

 値上がり銘柄1716に対し値下がり銘柄は47だけ。33業種全て上昇し、値上がり幅が大きいセクターはその他金融、パルプ・紙、倉庫、非鉄金属、証券、電気・ガスなど。小さいセクターは石油・石炭、海運、情報・通信、空運、不動産、鉄鋼などだった。

 日経平均採用225種は値上がり220銘柄、値下がりはソフトバンク<9984>、アドバンテスト<6857>、日本電気硝子<5214>、積水ハウス<1928>、NTN<6472>の5銘柄のみ。5銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+48円、2位はファナック<6954>で+21円、+20円で3位のKDDI<9433>は今期の営業利益が6600億円で過去最高益更新という業績観測が出て263円高。一方、マイナス寄与度-12円で1位のソフトバンクは、アメリカ司法省が反トラスト法に照らしてTモバイルUSの買収に難色を示した話がウォールストリートジャーナルで報じられ、前場はプラスとマイナスの間を行ったり来たりした末に値下がり率14位の103円安で6日続落。2位はアドバンテストで-4円。前日に4~12月期決算を発表し、通期の最終損益を25億円の赤字から359億円の赤字に大幅下方修正。配当も10円を5円に半減させた。野村證券がレーティングを「中立」から「売り」に引き下げ、53円安で値下がり率3位になった。

 みずほ<8411>は2円高、三菱UFJ<8306>は17円高、三井住友FG<8316>は135円高。りそなHD<8308>はゴールドマンサックスが730円の高めの目標株価をつけ9円高だった。野村HD<8604>は22円高。松井証券<8628>は取引時間前に4~12月期決算を発表し経常増益4.6倍と絶好調で66円高。自動車各社は12月実績を発表し、労組が年間6.8ヵ月分、組合員平均235万円超の一時金要求を出したトヨタ<7203>は輸出は4.5%減でも国内生産3.7%増、海外生産12.37%増で118円高と躍進。トヨタは118円高のホンダ<7267>とともにUBSが新規に「買い」のレーティングをつけた。国内生産51.4%増と急増した三菱自動車<7211>は23円高で売買高11位、売買代金10位。海外生産22.7%増でも国内生産が5.8%、輸出は31.0%減とやはり不振だった日産<7201>は12円高どまり。単独でインドに新工場を建設するニュースがあったスズキ<7269>は56円高だった。