【今週の振り返り】上値抑えられ下値底抜けで452円下落した週

2014年02月08日 20:32

0205_026

指数先物の裁定解消売り、「追証」不安の換金売り、利益確定売りに決算失望売り

 前週末1月31日のNYダウは149ドル安。個人所得、個人支出、シカゴ購買部協会景気指数などは堅調で、+0.7%で市場予測を下回ったユーロ圏消費者物価指数(CPI)を受けて6日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加金融緩和観測も浮上するなど株価は上昇してもおかしくない環境だったが、トルコリラなど新興国通貨の値動きも依然不安定だったためリスクオフの流れに押された。アマゾンドットコムは11.0%の大幅安。シェブロンは4.1%下落した。3日朝方の為替レートはドル円が早朝に101円台をつけたが102円台前半、ユーロ円が137円台後半で、ユーロ安はよりいっそう進行していた。

 2月1日発表の中国の製造業PMIが前月比0.5ポイント下落して50.5になり、インド準備銀行が国債買入枠の拡大など通貨安定策を講じても新興国発リスクオフの波はおさまらず、日経平均は125.97円安の14788.56円で始まる。午前9時台は14800円台に乗せる場面もあったが、その後は下値を探る動きが続き、11時台には14700円台を一時割り込んで前引は14728円だった。

 後場も14700円台で始まり、日経平均が先物主導で下げ、下落続きで投資家の間に「追証」の不安まで出て換金売りで中・小型株も軟調になるという地合いは変わらず、午後2時台には14700円を割り込み一段安。最後は下げ足を早め終値は295.40円安の14619.13円と大幅安で3日続落した。日中値幅は231円。TOPIXは-24.32の1196.32と1200の大台を割り込んで終えた。売買高は29億株、売買代金は2兆6598億円だった。

 全業種が下落。マイナス幅が小さいのは水産・農林、ガラス・土石、陸運、ゴム製品、海運、化学など。大きいのは証券、その他金融、電気・ガス、情報・通信、倉庫、鉄鋼などだった。

 週明け3日のNYダウは上昇はファイザー1銘柄のみで326ドルの大幅安。1月のISM製造業景気指数が大寒波の影響もあり12月の56.5から51.3に悪化し昨年5月以来の低水準になった上に、新車販売台数も市場予測を下回る3.1%減。4日朝方の為替レートは、ドル円は一時100円まで円高が進行して101円近辺。ユーロ円は136円台後半。

 日経平均は265.80円安の14353.33円で始まる。売り気配銘柄に値がついて5分余りで14300円、14200円を割り込む。9時38分に14147円まで下げたが、おおむね14200円の手前で水平飛行。日経平均が200日移動平均線を割り込み、前日比で400円を超える下落だと押し目買いもまた活発。10時34分に14121円をつけた後はドル円が101円台に戻す動きに合わせて14200円台に上昇し、前引は14236円だった。

 しかし後場は14200円割れでスタート。主力株だけでなく1月は比較的堅調だった中・小型株まで信用取引の「追証」対策で売られるという状況で下落率はTOPIXのほうが大きい。1時30分すぎから日経平均は14100円も割り込み、大引け前にはドル円が再び100円台に突入して最後まで下げ続け、終値は610.66円安の14008.47円。安値引けで4日続落し日中値幅は347円もあった。TOPIXは-57.05の1139.27でこれも安値引け。その下落率は日経平均の-4.18%をしのぐ-4.77%だった。商いは盛り上がり、売買高は42億株、売買代金は3兆6364億円だった。

 33業種全てマイナスで、下落幅が小さいのは水産・農林、情報・通信、医薬品、空運、食料品、不動産など。大きいのは非鉄金属、機械、ゴム製品、鉄鋼、建設、鉱業などだった。

 4日のNYダウは72ドル高で3日ぶりの反発。フェイスブックは2.07%、アップルは1.45%上昇したが、マイクロソフトは0.36%の小幅安。5日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が137円台前半で、少しだけ円安に戻した。

 日経平均は204.63円高の14213.10円と自律反発スタート。9時台は小刻みにアップダウンしながらおおむね14200円台前半で推移したが、10時から14150円近くまで下落。香港ハンセン指数が反発して10時台後半には14200円台に戻す時間帯もあったが、11時台は為替が円高に振れるのと連動し先物主導でズルズル下落を続け、14100円も割り込んで前引は14061円。比較的安定していたTOPIXともども「前場安値引け」になった。