【日経平均】助っ人はドラギECB総裁で307円の大幅高

2014年02月07日 20:45

 6日のNYダウは188ドル高と今年最大の反発。新規失業保険申請件数は2万件減少と市場予測を超える好結果で7日の雇用統計に期待をつなぐ。好決算のディズニーは5.3%高だったが、10~12月期の最終赤字5億ドルのツイッターは24.2%安と急落した。注目のECB定例理事会の結論は政策金利は0.25%に据え置き、「不胎化オペ中断」のような追加金融緩和もなし。だがドラギ総裁は記者会見で「ユーロ圏はデフレではない」とFRBと歩調を合わせつつ「我々には行動する意思も用意もある」と述べ、それが好感され新興国通貨は上昇。ユーロも買い戻されて円は対ユーロでも対ドルでも下落し、7日朝方の為替レートはドル円は102円近辺、ユーロ円138円台後半まで円安が進行した。

 シカゴCME先物清算値は14430円。日経平均は231.99円高の14387.11円と大幅反発で始まる。15分ほどで14400円台に乗せ、その後は午前9時22分に14448円の高値をつけてもおおむね14400円前後の水準で推移。それでもアメリカの雇用統計発表を控え上値は重く、前日の200日移動平均線14431円を抜けない。ドル円が101円台に戻ったこともあり10時台は徐々に下値を切り下げ、10時30分に上海市場が1週間の春節休暇明けをマイナスでスタートさせると15356円の最安値をつける。それでも前日比は200円高オーバーを堅持し、11時台には14400円台にたびたびタッチして前引は14382円だった。

 後場も前場と同水準で始まり午後1時台には14400円台に乗せる。1時30分すぎに200日移動平均線の14431円を突破して14450円をたびたび上回るようになり、2時14分には14471円の最高値をつける。この日は大引け間際のアクションは起きず、終値307.29円高の14462.41円で2勝3敗、前週末比で452.12円下落して今週の取引を終えた。日中値幅は115円と小さくなった。TOPIXは+26.77の1189.14。売買高は26億株、売買代金は2兆3070億円だった。

 値上がり銘柄は東証1部全体の89%にあたる1587、値下がり銘柄は163で、33業種別騰落率は全セクターが上昇。その上位は電気・ガス、海運、証券、繊維、鉄鋼、鉱業など。下位は建設、小売、空運、サービス、情報・通信、その他製品などだった。

 日経平均採用225種の値上がりは216銘柄、値下がりは6銘柄。プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>で+16円、2位はソフトバンク<9984>で+8円。マイナス寄与度1位はパナソニック<6752>、2位は前日、自社株買いで買われた反動で売られたコムシスHD<1721>で、ともに-1円以下だった。

 メガバンク3行は揃って大幅高。野村HD<8604>も22円高。軒並み好決算を出したネット証券の代表格のSBIHD<8473>は92円高と買われた。トヨタ<7203>は115円高、1.99%上昇の大幅高で終値は5900円になり6000円の大台復帰が見えてきた。ホンダ<7267>は103円高、スズキ<7269>は前日に4~12月期決算を発表し、売上高は14%増、営業利益は45%増で、通期業績見通しの営業利益、経常利益をそれぞれ100億円上方修正すると54円高になった。東芝<6502>は7円高、NEC<6701>は4円高、シャープ<6753>は8円高だったが、パナソニックは18円安と下落した。

 セイコーHD<8050>は4~12月期の営業利益が5割増で20円高。ニコン<7731>は4~12月期の純利益が16%増で92円高。デジカメの不振を他部門がカバーした。1月の携帯電話契約者数が発表され、純増数はソフトバンクが24.99万件、KDDI<9433>のauが18.99万件、NTTドコモ<9437>が14.02万件という順。ソフトバンクは75円高、KDDIは86円高、NTTドコモは42円高。4~12月期決算の純利益が8%増だったNTT<9432>は2000億円規模の自社株買いを発表して239円高の大幅高。しかし4日に好決算と投資判断引き上げで買われたNTTデータ<9613>は15円安と反落した。

 政府が福井県の高速増殖炉「もんじゅ」のプロジェクトを白紙化してエネルギー基本計画から削除するという報道があったが菅官房長官は否定。東京都知事選で脱原発を掲げる候補がリードを許しているという情勢分析記事が出たこともあり東京電力<9501>は49円高で値上がり率7位に入っていた。もっとも脱原発サイドの銘柄とみなされるエナリス<6079>も100円高で、株価の上では「最後まで接戦」。9日に都民の審判が下る。三菱重工<7011>は7円安と反落した。建設セクターは騰落率最下位で、大手ゼネコンは大成建設<1801>が3円安、清水建設<1803>が5円安と逆行安していた。

 王子HD<3861>の4~12月期決算は営業利益は13.5%増、純利益は29.3%増。通期業績見通しを据え置いたためか後場の発表直後に乱高下したが終値は9円高。三井化学<4183>は茨城県の鹿島工場を閉鎖するリストラのニュースがあり、それを好感されて売買高4位に入り13円高だった。NISAがスタートした1月に3000億円の資金が流入してその7割が株式という記事が出て、その中で証券各社が揃って「最もNISA買いされた銘柄」に挙げたのが武田薬品<4502>でこの日は100円高。ちなみにNISA買い上位に挙げられていたのがこの日8円高のみずほ<8411>、92円高のキヤノン<7751>やトヨタなどで、旧・東証特定銘柄や証券コード末尾「01」「02」の名門企業、時価総額が大きい大型株、配当利回りが良い銘柄がNISAで買われる傾向が示されていた。