前週末1月31日のNYダウは149ドル安。個人所得、個人支出、シカゴ購買部協会景気指数などは堅調で、+0.7%で市場予測を下回ったユーロ圏消費者物価指数(CPI)を受けて6日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加金融緩和観測も浮上するなど株価は上昇してもおかしくない環境だったが、トルコリラなど新興国通貨の値動きも依然不安定だったためリスクオフの流れに押された。10~12月期決算で1株当たり利益が市場予測を下回ったアマゾンドットコムは11.0%の大幅安。純利益が32%も減ったシェブロンは4.1%下落した。3日朝方の為替レートはドル円が早朝に101円台をつけたが102円台前半、ユーロ円が137円台後半で、ユーロ安はよりいっそう進行していた。
2月1日発表の中国の製造業PMIが前月比0.5ポイント下落して50.5になり、インド準備銀行が国債買入枠の拡大など通貨安定策を講じても新興国発リスクオフの波はおさまらず、シカゴCME先物清算値は14610円。日経平均は125.97円安の14788.56円で始まる。午前9時台は14800円台に乗せる場面もあったが、その後は下値を探る動きが続き、11時台には14700円台を一時割り込んで前引は14728円だった。
後場も14700円台で始まり、日経平均が先物主導で下げ、下落続きで投資家の間に「追証」の不安まで出て換金売りで中・小型株も軟調になるという地合いは変わらず、株価が持ち直す局面は訪れない。午後2時台には14700円を割り込み一段安。最後はCME先物清算値にさや寄せするように下げ足を早め、終値は295.40円安の14619.13円と大幅安で3日続落した。日中値幅は231円。TOPIXは-24.32の1196.32と1200の大台を割り込んで終えた。売買高は29億株、売買代金は2兆6598億円だった。
東証1部の値上がり銘柄162に対して値下がり銘柄は1592という全面安。当然、33業種別騰落率も全業種が下落し、マイナス幅が小さいのは水産・農林、ガラス・土石、陸運、ゴム製品、海運、化学など。大きいのは証券、その他金融、電気・ガス、情報・通信、倉庫、鉄鋼などだった。
日経平均採用225種の値上がりは19銘柄、値下がりは201銘柄。プラス寄与度1位はスマホ向けの加工機が不振で4~12月期決算の純利益が19%減でも株価は545円高と上昇したファナック<6954>で+21円。2位は通期の営業利益見通しを前期の2倍の420億円に上方修正し207円高で値上がり率3位の日本ガイシ<5333>で+8円だった。マイナス寄与度1位は鳥取県でメガソーラーを建設するニュースがあっても499円安でトンネルから抜け出せないソフトバンク<9984>で-58円、2位は925円安のファーストリテイリング<9983>で-36円だった。
8円安のみずほ<8411>は4~12月期の純利益が前年同期比44%増の561億円。期末の増配も見込めるが相場全体の弱さに流された。三菱UFJ<8306>は16円安、三井住友FG<8316>は183円安。その中でもう一つのメガバンク、りそなHD<8308>が2円高と逆行高していた。証券は野村HD<8604>が24円安など全般的に不振で、業種別騰落率最下位に沈んだ。
リスクオフに伴う円高の進行で自動車関連は軟調で、トヨタ<7203>は91円安、ホンダ<7267>は87円安、マツダ<7261>は20円安。ダイハツ工業<7262>は46円安で昨年来安値更新。自動車部品のジェイテクト<6473>は通期業績見通しを上方修正して59円高だった。日経新聞に「スマートカー」関連の記事が載り、日立<6501>は傘下のクラリオンを通じて2018年にも自動駐車システムを実用化すると紹介されたが5円安。パイオニア<6773>はネットから得た情報を表示するバックミラーを開発と紹介されたが7円安。脇見運転はしないように。パナソニック<6752>は45円安、シャープ<6753>は8円安、ソニー<6758>は45円安だったが、電子情報技術産業協会(JIEA)が2013年の国内薄型テレビ出荷が前年比16.7%減の537万6000台と発表していた。ソチ五輪、ブラジルW杯がある今年、「4Kテレビ」を武器にどこまで巻き返せるか。