4日のNYダウは72ドル高で3日ぶりの反発。7日の雇用統計発表を控え「踊り場にすぎない」という見方もあるが、プラスで終えたことにもそれなりの意味はある。シカゴ連銀のエバンズ総裁が講演で「決定は妥当で縮小ペースは適度」と発言するなど、世界のマーケットを大混乱に陥れたFOMC大政翼賛会に反省のかけらもなし。トルコ・リラや南ア・ランドなどは下げ止まったが、状況はあまり改善していない。フェイスブックは2.07%、アップルは1.45%上昇したが、バルマーCEOの後任にナデラ副社長の昇格が決まりビル・ゲイツ会長が退任するマイクロソフトは0.36%の小幅安。5日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が137円台前半で、少しだけ円安に戻した。
シカゴCME先物清算値は14275円。今年になって水曜日は全勝で、ローソク足は日足の一目均衡表の「雲」の下に飛び出し、25日移動平均乖離率は-10%をオーバーし「下がりすぎ」シグナルが点灯していた日経平均は204.63円高の14213.10円と自律反発スタート。9時台は小刻みにアップダウンしながらおおむね14200円台前半で推移したが、忘れた頃の「10時ホイッスル」で14150円近くまで下落。香港ハンセン指数が反発して10時台後半には14200円台に戻す時間帯もあったが、11時台は為替が円高に振れるのと連動し、朝方はプラスだった「日経平均寄与度御三家」も揃ってマイナスになるなど先物主導でズルズル下落を続け、14100円も割り込んで前引は14061円。比較的安定していたTOPIXともども「前場安値引け」になった。
後場の序盤は最安値更新で、午後0時40分にマイナスに転落し昨年10月9日以来の14000円割れを喫し13995円の底値をつけるが一過性で、そこから急速に持ち直し1時頃には14200円まで上昇する。その後は14100円台で動きながら前日比で200円高を超える時間帯もあったが、上値を抑えられて14200円台に定着できない。やはりNY市場同様に7日のアメリカ雇用統計について「またネガティブサプライズではかなわない」という警戒感が蔓延している模様。7日は債務上限引き上げのデッドラインでもある。そんな状況のまま大引けで、終値は171.91円高の14180.38円で5日ぶりに反発。前日までのセリング・クライマックスでボロボロになっても、春を待たずして焼け跡に芽吹く木のあり、かくのごと。水曜日は5連勝継続中。日中値幅は250円もあった。TOPIXは+23.37の1162.64で、この日は日経平均を超える上昇幅だった。売買高は37億株、売買代金は3兆3064億円と連日3兆円超えを記録した。
値上がり銘柄は8割を超える1441で、値下がり銘柄は267。前々日、前日は全業種がマイナスだった東証1部33業種別騰落率は、この日は全業種がプラスと極端に変化した。上昇幅が大きいのは輸送用機器、鉱業、電気機器、保険、その他金融、卸売など。小さいのはその他製品、石油・石炭、電気・ガス、パルプ・紙、化学、情報・通信などだった。
日経平均採用225種は値上がり187銘柄、値下がり30銘柄。プラス寄与度1位は+12円のNTTデータ<9613>で、4~12月期の純利益54%減、10~12月期の経常利益51%増の決算よりも、野村證券とSMBC日興証券が目標株価を引き上げたことで買われ330円高。2位はトヨタ<7203>で+12円だった。マイナス寄与度1位は前日孤軍奮闘したソフトバンク<9984>で-20円、2位は決算数字が市場予測に届かなかったテルモ<4543>で-4円。3位はヒートテックが売れて1月の国内ユニクロ既存店売上高が15%増と好調でも75円安のファーストリテイリング<9983>で、-2円だった。
メガバンクは、17円高で売買高8位、売買代金10位のりそなHD<8308>も含めて揃って上昇。野村HD<8604>も7円高だった。自動車はホンダ<7267>が57円高、決算発表前のマツダ<7261>が15円高、三菱自動車<7211>は後場に純利益が約5倍とV字回復した4~12月期決算を発表し79円高。日産<7201>は19円高。スズキ<7269>は28円高だった。ベアリングのミネベア<6479>は前期比1.5倍の190億円とする通期純利益見通しの3回目の上方修正を行い76円高で値上がり率11位だった。