ビッグデータを活用するマーケティングが、一種のブームを呼んでおり、各社からいろいろなアプローチの提案がなされている。
今回、大日本印刷<7912>は、大日本印刷が構築した価値観データベースと、各企業の顧客情報などのビッグデータを組み合わせて、生活者個々の価値観である「生活者DNA」と、自社の商品がどんな価値観を持つ生活者に購入されているかを把握し、商品の持つ価値観とした「商品DNA」を判別する機能を『生活者の真の姿を捉えて企業のマーケティング活動を支援する「カスタマーフォーカスマーケティング」』に追加した。
そして、この機能を活用した新しいマーケティングサービスを2014年2月12日に開始することを発表、これにより、生活者一人ひとりの感性にあった企業のマーケティング活動を支援するとともに、生活者目線での商品戦略が可能となるという。
近年、生活者の価値観やライフスタイルなどは多様化しており、製品やサービスを利用する生活者の消費行動だけでなく、生活者の購買行動から得られる多くのビッグデータを有効活用して、生活者の価値観や嗜好を把握した製品サービスの開発に取り組む企業が増加してきた。そこで、大日本印刷は、15,000人の生活者に実施した購買行動やメディアとの接触、ライフスタイルなど約1,200の質問に対する回答結果から、生活者の価値観を独自に分類した「価値観データベース」と、企業の顧客情報を連動させ、迅速に生活者の価値観と自社の商品が持つ価値を分析するサービスを開始する。
新サービスは、大日本印刷が、独自に構築した「価値観クラスター」を利用して、企業の顧客(生活者)の価値観を判別する「生活者DNA」と、自社の商品がどんな価値観を持つ生活者に購入されるかを把握し、商品の持つ価値を判別する「商品DNA」の情報を企業へ提供する。
生活者DNAを把握することで、ターゲットとなる生活者の価値観に合わせた新商品開発が可能となるほか、生活者の価値観を判別し、企業が提供しているサイトで価値観タイプ別にマイページの提供やメールマガジンの配信を行うなどメディアの最適化や、エリアマーケティングへの活用が期待できるとしている。
一方、商品DNAを把握することで、商品が持つ価値や自社の商品がどんな価値観の生活者に購入されているかがわかり、これによって生活者目線での販売戦略が可能となり、商品の持つ強みを生かした販促施策への活用、商品の売上予測も可能となる。
参考価格(税抜き)は、会員10万人の場合で、初年度導入費用は、150万円~(初回+年間3回のデータ更新を含む)。次年度更新費用は、年契約75万円~(データ更新3回)となっている。
難しい表現であるが、ビッグデータだけの定量的な分析に価値観という定性分析を加えるということであると考えられる。マーケティング担当者は、従来から、なぜ売れるか理由が良く分からないというケースに遭遇するが、それを早く分析し、売れるならより的確なマーケットに訴求し売上を加速させるなどができるようになるということであろう。(阪木朱玲)