コニカミノルタ、世界5ヶ所で新事業開発を行う

2014年02月15日 12:18

 10日、コニカミノルタ<4902>は、2014年度末までに世界5ヶ所でもって新しい事業の開発拠点を新設すると発表、ICT(情報通信技術)を活用した企業向けの新しいサービスの開発を行い、海外の企業と連携を取りながら、現地の市場を掘り起こす。この新規事業を足がかりに、これまでの複合機の販売を中心とするビジネスモデルから、企業向けのサービスを主な収益源とするビジネスモデルへと変化させたい考えがあるようだ。

 10日付でシンガポールに開発拠点となる「ビジネスイノベーションセンター(BIC)」を開設。そして今後、アメリカやヨーロッパ、中国、東京など世界5ヶ所に開発拠点を設置する予定で、14年度中にもそれら5ヶ所の設置を完了させる予定だ。そして各拠点それぞれに10名程度の人員を配置する予定で、それらの人員はトップも含めて、すべて現地にて採用が行われるとのこと。

 新しいサービスではクラウドやソフトウエアなどを活用し、状況によってはほかのICTベンチャーやソフトウエア会社とも連携を行う。すでにそうしたICTの専門家のヘッドハンティングは進められているようで、それぞれの開発拠点でもって10名程度の人員が業務開発を行う体制は整いつつある。

 コニカミノルタは複合機の販売を主力とするビジネスモデルから脱却し、情報サービスを主体としたビジネスモデルへの変化を遂げようと施策を行い続けている。今回の「ビジネスイノベーションセンター」はその戦略拠点として位置づけられており、クラウドサービスの開発のほか、海外企業との提携や企業買収の窓口的な役割もはたす。

 複合機の販売を中心とするコニカミノルタは、14年3月期の連結売上高の見通しを9300億円としており、うち複合機などの情報機器事業の売上高は7200億円と計画している。そしてその7200億円のうち、文書管理やネットワークソリューションなど、既存のサービス事業の売上規模は約1400億円にとどまっている。このように複合機の販売による売上高が全体の大きな割合を占めるコニカミノルタだが、しかしこうした複合機の販売は海外メーカーによる攻勢も激しいことから、より収益を上げることの出来る新しいビジネスモデルへと転換を急いでいる。(編集担当:滝川幸平)