安倍政権を悩ます小泉純一郎元首相の次の一手は石川県知事選?

2014年02月22日 11:22

 都知事選は細川候補の落選で終了し、これで勢いを弱めるかと思われた小泉元首相の脱原発運動はまだ終わっていなかった。もともと小泉元首相の頭には都知事選の勝敗はそれほど重大なことではなかったのではないかとの声もある。

 都知事選では小泉・細川陣営の街頭演説にはかなりの聴衆が集まった。都庁前で800人、渋谷ハチ公前で1000人、新宿駅南口では2000人という発表もあった。3位に甘んじた得票数に比べると、ずいぶんと不釣り合いな集客人数ととれなくもない。票は集められなかったが、集客力はあったということなのか。

 細川候補の敗退は小泉元首相の影響力も、かなり弱まったという声もあるが、集客力にはまだ見過ごせないものがあるともいわれる。これほどの集客力がまだ小泉元首相にあるのならば、今年、各地で行われる選挙で脱原発を表明する候補の応援演説を申し出れば、自公以外の候補者には魅力的に映るにちがいない。

 小泉元首相の次の一手は3月の石川県知事選と噂される。石川県には北陸電力〈9505〉が運営する志賀原発がある。原発が争点となる可能性は高い。これに続き、4月に京都、7月に滋賀でそれぞれ県知事、府知事の選挙が控えている。特に注目されるのは11月に予定されている震災の被災地、福島県知事選だ。必ず何らかの動きがあるはずともいわれている。小泉元首相が脱原発の応援演説を次にどこで実行するのかどうかもまだ不明だが、そうなった時には、自公が支援する候補者にとって脅威になるのは間違いないだろう。

 小泉元首相は、対立候補である細川陣営についたことで、安倍政権との確執も噂される。次男の小泉進次郎復興政務官の舛添都知事の応援拒否の一件で、その溝はさらに深くなったとも噂される。いまのところ安倍首相はこうした小泉元首相の動きを静観しているように見えるが、小泉元首相がわずらわしい存在であることは間違いない。(編集担当:久保田雄城)