景気回復で就職率も改善しているとはいえ、大学生はお金の使い方に慎重になっているようだ。全国大学生協連の「第49回学生生活実態調査」によると、下宿生の収入合計は12万1500円。前年比+860円で、2年連続で増加した。収入内訳で最も多いのは「仕送り」(7万2280円)で前年比+2670円。仕送り額は7年ぶりの増加だ。
調査は昨年10~11月、全国大学生協連が全国の国公立・私立大学の学部学生を対象に実施。8930名から回答があった。
リーマンショックがあった09年以降の4年間は「仕送りなし」で生活する下宿生が1割を超えていたが、13年は8.8%に減少。また「仕送り」が「10万円以上」の学生も2年続けて増加し31%となった。「奨学金」は2万4050円で前年から1330円減少し、収入に占める構成比も5年ぶりに2割を下回った。
収入が増えても、堅実に貯金する学生は増えている。下宿生の支出は「貯金・繰越」が1万2140円で、前年から1430円増加した。支出に占める割合は10.3%と79年以降初めて1割を超えた。仕送りやアルバイトなどで収入が増えても、将来を考えて貯金する学生が多いようだ。長引く不況で学生たちは堅実化している。
ここ10数年、下宿生への仕送り額はどんどん減少してきた。13年前は「仕送り10万円以上」の学生が6割と最多で、「5万円未満(0円含む)」は1割。「仕送りなし」の下宿生は3%しかいなかった。それが今や「仕送り10万円以上」は3割となり、13年前から半減。「5万円未満(0円含む)」の学生は2割強となり2倍に、「仕送り0円」の下宿生は3倍に増えた。
進学率の上昇で幅広い経済層の学生が大学に通うようになったことも関係しているが、保護者の経済状況が悪化しているのも大きな要因だろう。学生の懐事情は厳しくなっているはずだが、生活意識を「大変楽な方」+「楽な方」と考える下宿生は今回調査で初めて5割を超えた。「少ない仕送りで当たり前」と考え、上手にやりくりする学生が増えているのかもしれない。(編集担当:北条かや)