「ゆとり教育」に関して、「受けて良かった」と考える大学生は約半数いる一方で、「良くなかった」とする大学生も半数と評価が二分していることが、公益社団法人東京広告協会の調査で分かった。
調査は今年7月~8月にかけ、首都圏の大学生800人を対象に実施。大学生に「ゆとり教育」制度は良かったか聞いたところ、「良かった」が52.6%、「良くなかった」が47.4%となった。良かった理由の上位は「勉強以外の経験や自分のしたいことができたから」、「休みが増え、自分の時間ができたから」、「勉強量が少なく、楽に勉強できたから」などとなっている。一方、「ゆとり教育」制度が良くなかった理由の上位は「学習時間が減ったことで一般常識や学力が低下したから」「『ゆとり』といわれ、他の世代にバカにされるから」という結果となった。
一口に大学生といっても、その考え方は様々だ。調査では、「ゆとり」の自覚があるか否かと「ゆとり」への抵抗感の有無から、大学生を4つのタイプに分類。最も多かったのは、自身を「ゆとり」と自覚している一方で、「ゆとり」と言われることに抵抗がない「真性ゆとり」タイプで、全体の36%を占めていた。彼らの性格は「現状に満足しており、特に変化を求めない」が約4割で、全体より約9ポイント高い。逆に全体よりも低かったのは、「自分で考えて行動することが得意なほうだ」、「人より秀でたい気持ちが強い」、「自分にプライドがあるほうだ」で、「真性ゆとり」タイプは現状に満足しやすい傾向があるようだ。
次に多かったのは、「ゆとり」と呼ばれることにコンプレックスや焦りを感じる「あせり」タイプで33%。次いで、「ゆとり」の自覚がなく、ストイックに努力する「きっちり」タイプが20%。最も少なかったのは、「ゆとり教育」を前向きに評価し、自信を持って突き進む「つっぱしり」タイプで11%だった。
00年代前半から始まった「ゆとり教育」は、学力低下を招いたとの批判を受け、11~13年度にかけて終わりを迎えている。(編集担当:北条かや)