ダイドードリンコ、第2四半期は減収増益

2012年08月27日 11:00

k120825_067_3

ダイドードリンコの代表取締役社長である高松富博氏が24日、2013年1月期の第2四半期決算を発表した。

 ダイドードリンコが24日に2013年1月期の第2四半期決算を発表した。 それによると厳しい経営環境にありながらも、グループ全体での売上高は704億400万円(前年度期比4.1%減)、営業利益46億2500万円(前年度期比21.4%増)、経常利益45億3200万円(前年度期比29.1%増)、当期純利益においては25億8800万円(前年度期比247.6%増)と減収増益となっている。

 近年の国内経済は、東日本大震災の影響による停滞から一部持ち直しの動きが見られたものの、電力供給も問題や円高の長期化、海外経済の先行きへの懸念など、厳しい状況は続いている。飲料業界においても、消費者の節約志向は依然継続し、さらには、低価格化が進行するなど販売競争が益々激化している状況だ。

 こうした中、同社は主軸の飲料販売部門ではコーヒー飲料を中心として各商品に即したマーケティングを積極的に行い、収益力を強固なものとしてきた。また売上の9割を占める自販機事業では、消費者に支持される注目度の高い新しい自販機の積極投入と、不採算先自販機の撤去やスクラップ&ビルドという投資効果に主眼を置いた設置ロケーションの選定を行い、採算性を一層重視した強固な全自販機の見直しを実施。導入する自販機は節電効果の高い「ヒートポンプ自販機」や「LED照明自販機」などのエコ自販機の徹底した開発・採択に努めている。さらに、営業効率の改善に向けあらゆる業務の見直しを実施するなど、徹底したコストコントロールで利益を確保しているという。下期においては、新生「ダイドーブレンド」シリーズを9月3日より発売開始。積極的な広告展開などによりブランドを一層強化させることで、更なる収益力強化を目指す。

 飲料受託製造部門においては、消費者ニーズがドリンク剤から健康食品やサプリメント(健康補助食品)への流れに変わったことで、従来のドリンク剤のノウハウを礎として、「美容と健康」を謳った女性向け商品を開発する体制を構築、大手化粧品会社など多方面にわたる受注を獲得した。さらに営業開発体制の強化並びに生産体制の整備が年々拡充したことに加え、昨今の経済環境の変化から大手医薬品等有力メーカーの生産スタイルが「自社生産」から「OEM生産」にウエイトシフトしたことなどにより、安定した業績を示している。

 さらに、戦略的事業投資として国内では6月にドライフルーツゼリー市場のトップシェアを有するたらみを完全子会社化。これにより、両社の持つ「ブランド力」、「販売網等」の相互補完によるシナジー効果を見込むとともに、第3の柱となる新分野の事業を獲得することで、新たなビジネスチャンスの創出を図っている。また海外では中国・上海のナンバー1オペレータである「米源飲料」と資本提携し、中国における飲料事業拡充による同社グループに企業価値向上を図るなど、同社は今後、安定した経営基盤を維持しつつも新たな事業展開も見据えていくという。