三井物産<8031>は路線バスの電気自動車(EV)化実証事業を開始し、まずイギリスのミルトンキーンズ市で運行を始め、記念式典を行った。三井物産は、日本および「世界のスマートシティ・低炭素プロジェクト」の推進の一環としてミルトンキーンズ市、Arup社、Wrigthbus社、Arriva社と共に14年1月末からの5年間、路線バスの電気自動車(EV)化実証事業を進める予定である。
この交通機関のEV化実証事業で、都市の温暖化やガス削減効果が期待できるとの見込みである。特に、早く普及すると考えられる路線バスに注目し、イギリスの中規模都市であるミルトンキーンズ市を走行する中で、最も乗客数の多い一路線の8台全てをEVバスに置き換えた。路線の始点と終点で毎回充電「通称(ちょこちょこ充電)」を行う計画である。充電はケーブルを繋ぐ手間を省けるように、ボタンで充電する非接触充電技術を利用しておりワイヤレスでの充電が可能である。「ちょこちょこ充電」を行うことによって、車載電池容量を減らすことと、バスの本体価格と重量が経済性に見合うレベルになるか検証する予定である。また、実路線での運行データを収集、分析することが他の路線へ展開する場合に、最適な車載電池容量と充電設備数のシュミレーションとなり、企画から運用までのワンストップソリューションを目指すとのことである。
三井物産によると、現在、自動車を取り巻く環境は、環境意識への高まりと車に対するニーズの変化が大きく変わりつつある。地球温暖化や化石燃料の枯渇によって、CO2排出削減と循環型社会の実現が世界規模で課題になっており、環境意識の高まりは自動車の電動化を促進すると考えられている。三井物産も、自動車分野では車両や部品の輸出入だけでなく、生産や販売など様々な展開を行っているが、電動化や代替燃料関連などの新分野へも乗り出している。三井物産の試算では25年にはハイブリッドカーや電気自動車の普及がさらに増加し、世界の乗用車生産台数1億台のうち約半数に電池が搭載されると予測されている。(編集担当:高井ゆう子)