20日、トヨタ自動車<7203>のインド現地法人である「トヨタ・キルロスカ・モーターズ(TKM)」は、労働争議の影響により、インド南部バンガロール近郊にある2つの工場で16日より実施されていた一時的閉鎖(ロックアウト)を解除すると発表。労働組合に参加していない契約労働者や訓練生などの人員により、一部の生産ラインで稼働が再開されたことを明らかにした。
「トヨタ・キルロスカ・モーターズ」は24日以降、従業員は行動規範に署名することによって工場への復帰が可能になると述べたものの、それ以上のコメントは行わなかった。また一時的閉鎖(ロックアウト)解除に先立ち、「トヨタ・キルロスカ・モーターズ」は工場内において問題行動を行っていたとする一部の従業員を停職処分とした。処分が下された人数などは明らかにされていない。
インド南部のバンガロール近郊の2つの工場では、賃上げ交渉の難航により従業員の一部が生産ラインを止めるなどの行動を起こし、今月16日に一時的閉鎖(ロックアウト)されていた。しかしその後18日に、契約労働者や訓練生など非組合員により生産が再開されたものの、依然として地元労働当局を交えた組合側との協議は続いており、全面再開の見通しはまだ立っていないとのこと。
「トヨタ・キルロスカ・モーターズ」には販売部門もあり、その従業員数は約6200人になる。今回の一時的閉鎖(ロックアウト)の発端となった賃上げ交渉は2013年4月から交渉が開始されているものの、未だ合意には至っておらず、今年の1月に行われたインド政府労働局による調停もかんばしい結果を上げることは出来なかった。トヨタ自動車としては、早期解決を目指し、労使との話し合いを進めていきたいとしている。
バンガロール近郊の2つの工場を停止すると、1日あたりで最大700台の減産となるようだが、トヨタ自動車は今回の工場生産停止によってどれくらいの影響が出ているのか、詳細を明らかにはしていない。(編集担当:滝川幸平)