欧州特許庁への日本企業の申請数最高に

2014年03月19日 16:05

 13年の欧州特許庁(以下EPO)における日本企業の特許の申請数が過去最高の件数になった。EPOでの13年の特許の申請数自体も過去最高の265,690件になり12年よりも2.8%増加した。そのうち許可が付与された件数は66,712件で12年より1.6%増え、こちらも過去最高の数字になった。

 アメリカの特許の申請数が64,967件と1番多く、2.8%の増加になり全申請数の24%を占めている。2番目が日本の52,437件で今回、申請の件数が過去最高になり1.2%の伸び率で全申請数のうち20%を占める。過去10年の間に日本からの申請数は年間平均5.5%ずつ伸びており、04年以来日本の特許申請数は60%以上増えた。
 
 特許が付与された件数はアメリカが14,880件で1.2%増加、2番目がドイツの13,425件で0.8%増加、次いで日本になり12,135件と5.6%減少してしまった。割合はアメリカ22%ドイツ20%日本18%になっている。

 ブノー・バティスリー長官は「欧州における特許保護の需要は4年連続上昇しており、この伸びは、世界の企業が欧州を新しい技術のプレミアハブとみなしている証拠である。」と述べている。「特許の申請にテクノロジーが集中していることは、EUとその他の欧州諸国の雇用と成長に対して、これらの産業部門が中心的役割を果たしていくことを示している。」と欧州でテクノロジーが重要な産業になると分析している。

 13年のEPOの申請の上位25位のうち、日本の企業が8社を占めている。1番件数の多い企業は三菱でパナソニック、トヨタ、日立、ソニー、富士通、NEC、キャノンと続く。日本が特許を申請する分野としては、やはりテクノロジーが目立ち電気機械は全特許申請のうち25%、車両や列車、航空宇宙などの運搬技術は日本のシェアが22%になっている。日本とアメリカの他は中国が16%増、韓国が14%増と申請数を牽引している形になり、欧州からの申請は安定しているか若干減少の傾向が見られる。

 EPOで特許を付与されると欧州特許庁の加盟国などでの特許の保護をうけることができるため、今後企業の海外進出を見込んだ申請と考えられるのではないだろうか。(編集担当:高井ゆう子)