トヨタ、14年度の採用計画を発表。横ばいの1350人

2014年03月09日 09:18

 4日、トヨタ自動車<7203>は2014年度の採用計画(新卒者は15年春入社)を発表。その計画によれば、14年度の社員の採用人数は13年度実績比で2人減となる1350人であった(中途採用を含む)。自動車メーカーそれぞれが世界の市場にて厳しい競争を繰り広げる中、スリムな経営体質を維持しつつエコカーなどの開発推進を担う技術系の人材を中心に厚い配置を行う。

 13年度の採用人数は1352人で、14年度の採用人数はわずかではあるが2年ぶりに前年水準を下回る見通しだ。14年度採用人数の内訳は、全体の約4割を占め、最も採用人数の多い技術職は前年度と同数の530人。13年度には12年度よりも19人増やしたという経緯があることから、14年度の採用人数を据え置いた模様。技術職は大卒・高専卒以上が対象となる。大卒以上が対象の事務職は前年度より1人増えて90人、短大卒以上が対象の業務職は前年度と同じ30人、高卒以上が対象の技能職は前年度より3人減って510人とする予定だ。事務職と技術職は中途採用を含む。またトヨタ工業学園の入学者は、高等部と専門部を合わせて前年度と同じ190人としている。

 工場の生産ラインを担当する技能職の採用人数が、前年度よりも3人減っている。このことに関してトヨタ自動車は、現在の経営環境およびこれからの生産を踏まえた上での採用人数と説明はしているものの、4月に控えている消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減のみならず、ユーザーが買い替えを先延ばしすることも予想され、そうした中長期的な需要の縮小に対応するために、生産ラインの増員が抑えられたようだ。

 トヨタ自動車は今回発表された14年度採用計画の採用人数に関して、これからの経営環境や即応性のある企業体質の構築を考慮して決定したとしている。トヨタ自動車の採用人数の直近ピークは08年の2606人である。しかしその後発生したリーマン・ショックによる業績悪化を受けて、09年度以降は1200~1300人程度に採用人数を抑えている。過去最多は、1984年度の4736人である。(編集担当:滝川幸平)