三菱日立パワーシシステムズ、ブラジルで大型ボイラー2缶を受注

2014年03月23日 07:11

 三菱日立パワーシステムズ株式会社グループのブラジル現地法人、CBC重工業株式会社(以下CBC)は、同国の大手製紙パルプメーカーのクラビン社から世界最大級の容量を持つ回収ボイラーと、高性能で大容量のバイオマス焚きボイラー2缶を同時に受注した。クラビン社が新設する世界最大級の製紙パルプ工場(クラビンプーマプロジェクト)の中核設備となり、16年の春までに引き渡す予定になっている。

 大型ボイラー2缶の供給先はパラナ州オルチゲーラ地区に建設される最新鋭工場で、ボイラー2缶は年間150万トンに達する同工場のパルプ製造を支えることになる。2缶のうち回収ボイラーは、ボイラーの燃料となる、パルププロセスで発生する黒液の処理能力が固形物換算で7,000トン・日と世界最大級の容量になる。日本国内のボイラーの最大容量が2,700トン・日で世界では5,000トン・日超の容量のボイラーが増えつつあり今回は大容量という需要に応えた。

 バイオマス焚きボイラーの方は、パルプ用木材に付随して発生する間伐材、木皮や廃材などのバイオマス燃料を高効率で燃焼し、CBC独自の流動床という技術を採用している。ボイラーの蒸気発生量は280トン・時でバイオマス燃料用ではブラジルで最大容量になる。

 今回CBCは燃焼装置などの周辺機器の供給と、輸送や現地据付け、試運転指導も担当するとのことだ。

 ブラジルはロシアに次ぐ世界第2位の面積で、高い森林生産率によってパルプの一大生産地である。近年ブラジルでは複数の紙パルプ会社が、超大型のパルププラントを次々と完成、建設しており、今回のクラビン社のプロジェクトの商用運転が開始する16年の時点でアメリカ、中国に次ぐ世界3位のパルプ生産国になる見通しである。

 CBCはサンパウロ州ジュンジアイ市に本社がある同国最大のボイラーメーカーで、1955年創業、63年に三菱重工グループが資本参加した。ブラジルの製紙パルプ業界や石油精製、化学、製鉄業界、砂糖アルコール業界などのインフラ構築に大きく関わっている。

 14年2月1日に誕生した三菱日立パワーシステムズは、三菱重工業と日立製作所が火力発電システム事業を統合した。新興国の経済成長に伴う電力需要の高まりから、競争がグローバル化したエネルギー市場で両者の強みを合わせ、火力発電システムと環境技術分野でのリーディングを目標としている。今回のプロジェクトに関しても大きく貢献すると考えられる。(編集担当:高井ゆう子)