丸紅株式会社<8002>は、欧州ガス、電力大手のGDF SUEZ社(フランス)との間で、ウルグアイで進行中の洋上LNG受入、貯蔵、再気化のサービス事業に参画することに合意し株主間協定書を締結した。
フランスのGDFの子会社、インターナショナル・パワーS.A.社(ベルギー、以下IPSA)を通じての締結となり、続いてはIPSAがスペインに設立した投資会社の、50%の出資を通すことにより最終的に同社100%子会社のGNLS S.A.社(ウルグアイ、以下GNLS)に参画することになる。
この事業はウルグアイのLNG(液化天然ガス)の需要を満たす為のプロジェクトであり、首都モンテビデオ近郊のラプラタ河の上に、世界最大級のLNG貯蔵能力を持つ浮体式貯蔵と再気化設備を接岸したLNG受入ターミナルが新設される。本設備が操業開始した後も15年間の契約をしており、LNGの受入、貯蔵、再気化のサービスを提供することになった。13年10月に、サービスの提供先であるGAS SAYAGO S.A.とGNLSの間でターミナルの使用契約を既に締結しており、15年7月の操業開始の予定になっている。GAS SAYAGO S.A.は、ウルグアイ石油公社とウルグアイ電力公社の各50%の出資で設立されている。
丸紅はこれまでにメキシコ湾上で原油、ガスの洋上生産と処理サービスの事業や、カザフスタンでの製油所近代化のフェーズ案件、アジア各地での港湾ターミナル事業など他にも数々手掛けており、長年培ってきた技術力と、多くの取引会社とのネットワークを持っているという強みがある。今回の事業は、ウルグアイでの初の洋上LNG受入ターミナル案件になり、丸紅だけではなく他の日本企業にとっても同種の事業への世界初参画になるため、この仕事を足掛かりに洋上LNG受入ターミナル事業分野が世界での展開を目指すきっかけになるだろう。
LNGは環境負荷が低く安全性も高いため、エネルギーとして近年需要が増えており、LNGに関連した事業がさらに展開していくのではないだろうか。また、輸入価格の変動が少ない面も魅力の1つである。(編集担当:高井ゆう子)