1日、インターネット検索大手であるYahoo!JAPANの運営を行うヤフー<4689>は、インターネット専業銀行であるジャパンネット銀行の普通株式の保有割合を、12.18%から41.16%に引き上げる方針を発表。これにより三井住友銀行と並ぶ筆頭株主となる。そしてジャパンネット銀行はヤフーの持分法適用関連会社となる。ヤフーは2006年にジャパンネット銀行と三井住友銀行と資本・業務提携を実施している。
ヤフーの普通株式保有割合の引き上げにより、現在の筆頭株主である三井住友銀行の普通株式の保有割合は61.44%から41.16%となり、ジャパンネット銀行は三井住友銀行の連結子会社から持分法適用関連会社となる。ヤフーは経営への関与を強化し、決済機能を活かして電子商取引(EC)事業の拡大を図る。
去年の秋にヤフーはネット通販「Yahoo!ショッピング」への出店料を無料にしており、今回こうして事業拡大を図ることでさらに「ヤフオク!」を含めたEC事業にテコ入れを行い、金融とEC事業の融合を推し進める楽天<4755>に対抗したい考えだ。
ヤフーは同日に銀行法第52条の9第1項に基づく認可を金融庁より受けたとも発表。ジャパンネット銀行の普通株式の保有割合の引き上げは4月30日付で行われる。
06年にジャパンネット銀行と三井住友銀銀行と資本・業務提携したヤフーだが、その際、議決権を高められる条項が付いた株式の割り当てを受けていて、今回それを行使することとなる。
ジャパンネット銀行は00年に日本初となるインターネット専業銀行として設立された。13年12月末の預金残高は5410億円で、口座数は256万となっている。06年6月29日にはヤフーと三井住友銀行と資本提携を伴う業務提携を実施。以後、ヤフーとジャパンネット銀行はそれぞれが培ってきたノウハウを活用しつつ、共同でサービスや商品の開発を行ってきた。今後はさらにその連携を強め、ジャパンネット銀行の持つ決済機能を活かし、「Yahoo! JAPAN ID」と密接に連携した安全性と利便性の高い先進的な決済サービスと金融サービスを提供していくとしている。(編集担当:滝川幸平)