ヤフー、イー・アクセスを買収。通信事業に参入

2014年04月02日 08:30

 インターネット検索大手のYahoo!JAPANを運営するヤフー<4689>は27日、携帯通信事業などを展開し、国内携帯電話4位であるイー・アクセス<9427>の発行済み株式99.68%を親会社であるソフトバンク<9984>から3240億円で買収すると発表。6月2日に株式を取得するとしている。

 イー・アクセスは6月1日にPHS大手のウィルコムと合併し合併会社を設立するが、その新しい会社の株式をヤフーが取得し、日本初のインターネットキャリア事業として「Y!mobile(仮称)」の展開を開始する。その仕組みや料金体系を出来る限りシンプルにすることにより、多くの人たちにインターネットを届けることを目標としている。新しい会社名は「ワイモバイル株式会社」となる予定。また社長にはヤフーの宮坂学社長が就任し、会長にはイー・アクセス社長のエリック・ガン氏が就任する。

 ヤフーは通信事業に参入することにより、「Yahoo!プレミアム」などの有料ネットサービスの会員獲得を目指す以外にも、イー・アクセスとウィルコムの持つ1000店舗をネット通販の商品受け取り拠点として活用することも検討している。またイー・アクセスとウィルコムの2社の合計契約数1000万件を倍増させるという目標も掲げている。

 こうして通信事業に参入することで、ヤフーには独自の機能を持ったスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末を持つことが出来るというメリット以外にも、自社開発のアプリをあらかじめ端末に搭載して販売することが出来るといったメリットも生まれる。

 今回のヤフーによるイー・アクセスの買収は、ヤフー側がより魅力的なサービスを打ち出すことを目的として、ソフトバンクに持ちかけたとのこと。またヤフーは、新会社である「ワイモバイル株式会社」は2015年3月期の連結業績にて、営業利益で100億円程度寄与するのではないという見込みを示している。

 なお、イー・アクセスとウィルコムの提供するPHSサービスやMVNO向けサービス、そしてADSLホールセールに関しては、今後も継続されるものの契約内容の変更が行われる可能性もあるとしている。(編集担当:滝川幸平)