今後の消費を牽引することが期待されているシニア層。そのシニア層に対し矢野経済研究所がアンケート調査を実施し、その結果を発表した。近時の流行を反映してか、来年チャレンジしたいことの内容は、「旅行(43.6%)」が最も高い比率であったものの、「運動・スポーツ(29.4%)」や「園芸・庭いじり・ガーデニング(22.8%)」とともに、「スマートフォン・タブレット端末などの最新ITツール(26.8%)」が上位に挙がっている。
最近のシニア層の大半は、すでに日常的にインターネットを活用した情報収集を行い、またネットショッピングやネットバンキングなどのインターネット上のサービス提供を受けている。また9割のシニア層がインターネットを使うことで生活が便利になっていると感じており、インターネットの利便性を実感しているという。
また、本調査におけるシニア層の4割強は最新のITツールに関心があるとしている。さらに、今後、欲しいと思っている最新のITツール(複数回答)は、「スマートフォン」が41.0%、タブレット端末が30.2%と上位項目にきており、17.0%のスマートテレビや13.9%の電子書籍端末を大きく引き離している。なお、商品の購入基準は、19.0%の機能や14.7%のデザイン、5.9%のブランドよりも、実際の「操作のしやすさ」が57.6%と群を抜いて重視しされている。
IDC Japanの調査よると、2012年第3四半期の国内携帯電話出荷台数は、前年同期比6.0%増の1104万台となり、2四半期ぶりに「1000万台超」となるプラス成長となっている。このプラス成長の要因には、スマートフォン出荷台数が順調に拡大傾向にあることに加え、らくらくホンを含めた「スマートフォン以外」の携帯端末の出荷が堅調であったことが挙げられるという。また、スマートフォン端末出荷におけるベンダー別台数シェアでは、「iPhone5」を市場投入した、アップルが4四半期連続で首位であった。これに続く第2位には、「ARROWSシリーズ」を展開する富士通 がランクインしている。この要因には、「ARROWSシリーズ」の好調さだけでなく、らくらくホンの「スマートフォン版」を市場投入したことも大きく影響しているのではないだろうか。消費を牽引するシニア層の商品選択基準が、圧倒的に「操作のしやすさ」を重視していることからも、シニアスマートフォンが今後多くラインナップされるであろう。各ベンダーがどういった施策でシニア需要を取り込んでいくのか、注目が集まるところであろう。(編集担当:井畑学)