日産のクロスオーバーSUVムラーノは、2002年に初代デビュー。以来、日本ではあまり見かけないが、世界で累計94万台以上を販売したグローバルモデルだ。今年中に発売となる3代目の新型ムラーノは昨年、北米国際自動車ショーで発表した「RESONANCE(レゾナンス)」をコンセプトモデルとしている。新型の生産は米ミシシッピ州のキャントン工場で行なう。
新型ムラーノのデザインはブーメランシェイプのライト、ユニークなフローティングルーフなどをRESONANCEと共有。初代から変わらないコンセプトで彫刻的でエモーショナルなデザインとなった。
ボディサイズは初代や2代目とほぼ同等だが、新型モデルは先代と比べてやや低く、幅広く、長い。クロスオーバーSUVに求められる高さとスタンスは保ちつつ空力特性を向上させたという。リヤタイヤのディフレクター、一体型リヤスポイラーなど改善で空力性能は現行モデルに対して17%向上。CD値はスポーツカー・レベルの0.31を実現した。
インテリアもRESONANCEから移植した。インストルメントパネルを低くし、シンプルで美しい室内と使い勝手の良さのため、スイッチの数を60%減の25個から10個と大幅に削減。その代わりにタブレットPCのような8インチタッチパネルをインパネに装備する。
シートは、NASAから着想を得たという先進的なゼログラビティシートをフロントとリヤ両側に標準装備。フロントシートには温度調節機能(ヒーター&クーラー)を、リヤシートにもシートヒーターを装備した。
これらシートを取り囲むようにエアバッグがフル搭載される。シートベルトセンサーと乗員検知センサーが備わるニッサン・アドバンスド・エアバッグ・システム(AABS)、前席サイドエアバッグ、転覆検知機能付きルーフ搭載SRSサイドカーテンエアバッグ、運転席ニーエアバッグが標準装備となる。
上級SUVらしく左右独立温度調整機能付エアコン、プッシュボタン・イグニション付きインテリジェントキー、レザーシート、ステアリングヒーター、ステアリングポジションメモリー、バックミラーメモリー、パワーフォルディングリヤシート、リモートエンジンスタートなど多彩な快適装備が備わる。
運転支援システムとして後側方車両検知警報、前方車両接近警報、前方衝突予測警報、フォワード・エマージェンシー・ブレーキ(FEB)、インテリジェントクルーズコントロールなどを搭載。前後左右のカメラで周囲360度の映像を写し縦列駐車を支援するアラウンドビューモニターも装備した。
搭載エンジンは3.5リッターV型6気筒エンジン(最大出力260馬力)。これにエクストロニックCVTを組み合わせた。燃費は、車両の軽量化、空力特性向上、エンジン&トランスミッションの効率改善で現行モデル比約20%の向上を果たした。(編集担当:吉田恒)