自民党の外交部会、領土に関する特命委員会などは香港の民間団体・保釣行動委員会の船が領海に侵入し、乗組員の一部が尖閣諸島の魚釣島に上陸したことに対し、16日、「事前に予告があり、みすみす上陸させることとなった。一連の政府の対応は国家主権も守れない愚行と言わざるを得ない」と日本政府の対応を批判するとともに「尖閣諸島の有人化と海の有効活用を図ること。島及び海域の安定的な維持管理を強化するために尖閣諸島の国有化に向けた取り組みを早急に進めること」などを政府に求めた。
自民党の外交部会らは「民主党政権になって、メドヴェージェフ大統領の北方領土上陸、李明博大統領の竹島上陸が相次いで行われ、一昨年の中国漁船衝突事案では那覇地検の判断との名目で船長を釈放し、わが国の外交及び危機管理において歴史上の汚点を残した。現政権の外交施策は国益を損ない続けている」と政府の外交姿勢を酷評した。
そのうえで(1)政府は今回の事実関係を明らかにするため、撮影したビデオを早急に公開すること(2)香港民間団体の不法入国および不法上陸その他の国内法違反に対し、法に則り厳正に対処すること。中国に対し断固たる抗議を行うとともに再発防止を強く求めること(3)被疑者が他に罪を犯した嫌疑があると判断した場合には出入国管理及び難民認定法第65条を適用することなく刑事手続きを進めること(4)当該事案を審議するため、予算委員会、外務委員会等を早急に開催すること(5)尖閣諸島及びその海域の警備態勢・方針を早急に見直すとともに、必要な法制度の整備、関係機関との連携、装備・人員の手当て等の体制強化を急ぐこと。また、南西諸島防衛を強化する施策を実行することを求めた。
(編集担当:森高龍二)