NTT Comがリソース確保型コンピュートの月額料金を40%値下げ

2014年05月06日 08:32

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は28日、企業のICT基盤向けクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」において、コンピュートやストレージ機能の大幅な料金値下げを行うと発表した。また、より安価なソフトウェア型のファイアウォール機能やロードバランシング機能「統合ネットワークアプライアンス」の提供も開始する。

 さらに、Bizホスティング Enterprise CloudとNTT Comデータセンターのコロケーションエリアを無料で接続する「コロケーション接続サービス」を開始する。クラウドサービスへの移行が困難なシステムはコロケーションエリアに個別システムとして構築し、Bizホスティング Enterprise Cloudと同一セグメントで接続することにより、クラウド環境と個別システム環境のシームレスな運用が可能となる。

 値下げした新たなコンピュートクラス「Guaranteed」プランは、リソース確保型のCPUおよびメモリを提供するプランである。ユーザーは、現行のリソース保証型「Premium」プランと同等品質のSLAに対応したプランを、従来の60%の料金で利用できる。また、既存のコンピュートクラス「Standard」プランおよびストレージクラス「Standard」プランの料金を最大25%値下げする。

 このプランとストレージクラス「Standard」プランを組み合わせることで、最小構成で従来の約半額の月額1万4000円程度からの利用が可能になり、また、標準的な構成においても従来の約65%の料金で利用できる。

 現行の「Premium」プランや「Standard」プランは、「Guaranteed」プランの提供開始に合わせ、新規販売を停止する。利用中のリソースプールは継続して利用可能で、「Standard」プランは、CPU 1GHz単位が2000円から1500円、メモリ1GB単位が1500円から1200円に値下げする。改訂された料金は、従来利用していた全てのユーザーに自動的に適用される。

 2014年5月9日時点では、コンピュートクラス「Guaranteed」プランと組み合わせが可能なストレージクラスは、「Premium」プランのみとなる。コンピュートクラス「Guaranteed」プランとストレージクラス「Standard」プランとの組み合わせは14年5月中旬より提供開始予定だ。
 
 また、BizホスティングEnterprise Cloudは、従来のハードウェア型と同等の機能でより安価に利用できる、ソフトウェア型のファイアウォール機能、ロードバランシング機能、IPSec終端機能を一体で提供する「統合ネットワークアプライアンス」を提供開始する。

 最大100Mbpsの通信が可能な処理能力を持ち、ユーザーが必要な性能や冗長構成にあわせ4つのプランから選択できる。ハードウェア型と比べて、最小構成で約80%安価な料金で利用できる。また、各種動作設定は、コンピュートリソースとあわせてカスタマーポータルから設定可能であり、海外9カ国/地域、11拠点のサーバー環境とネットワーク環境を同一インターフェースから制御可能である。

 また、世界初のSDNを活用した「コロケーション接続サービス」を提供開始する。Bizホスティング Enterprise CloudのLAN環境とNTT Comが提供するデータセンターのコロケーションエリアのユーザー利用ラックを、同一セグメントとして無料で接続。接続は1Gbpsネットワークを冗長化し、低遅延で信頼性が高く、VLAN多重機能による複数セグメント(最大24セグメント)にも対応している。

 また、カスタマーポータル画面から、VLANの追加や削除など、システム構成の設定をオンデマンドで変更可能。この機能により、ユーザーは、クラウドやコロケーション間の物理的距離や設備環境を意識せず、ハイブリッドクラウド環境として一体的に運用することができる。

 接続対象のコロケーションエリアは、Bizホスティング Enterprise Cloudのサーバー設備が設置されているデータセンター、および近隣のデータセンターから選択でき、14年度中に首都圏8拠点、関西圏3拠点、海外8カ国/地域、9拠点にまで拡大し、その後も順次拡大予定。

 Bizホスティング Enterprise Cloud1拠点に対し、指定コロケーションラックへの1接続分は無料で利用できる。なお、複数のコロケーションラックへ接続する場合は、2接続目から月額料金9万6000円(税別、初期費用は無料)がかかる。(編集担当:慶尾六郎)