2日、日本銀行が発表した4月のマネタリーベース(資金供給残高)によれば、それは4月末の時点で前年同月比45.2%アップの225兆5347億円であったことが分かった。この額は、過去最高のものとなる。また3月末は219兆8855億円であり、4月末はこれと比べておよそ2.6%増えた。
こうしてマネタリーベースが過去最高を更新するのは、これで3ヶ月連続となる。日本銀行が金融機関から大量の国債を買い入れて資金を供給する質的・質的金融緩和を続けていることから、供給した資金が日本銀行の当座預金に積み上がった。日本銀行では、2014年末までにマネタリーベースを270兆円にするという計画も立てている。
マネタリーベースとは市中に出回る紙幣や硬貨などのお金と、金融機関が日本銀行に預けている当座預金残高の合計を表したものである。
今回発表されたマネタリーベースの内訳は、金融機関が日本銀行に預けている当座預金残高が前年同月と比べて約2倍に増えて133兆7981億円であった。紙幣が前年同月比3.1%アップの87兆1376億円であり、硬貨は前年同月比1.0%アップの4兆5990億円であった。また平均残高は前年同月比48.5%アップの222兆795億円であり、これで14ヶ月連続で過去最高を更新することとなった。
4月末の時点でのマネタリーベースは225兆5347億円であり、前の月より5兆6000億円あまり増えたこととなり、これで3ヶ月連続で過去最高を更新することとなった。これは日本銀行が、13年4月よりデフレ脱却へ向けて大規模な金融緩和政策、いわゆる異次元緩和政策に踏み切り、国債などを買い取ることで大量の資金供給を続けているからで、日本銀行としてはこうした資金を銀行の融資などを経由して、設備投資などの企業活動や個人の消費の活性化につなげたいとしている。
また、日本銀行はそうして異次元緩和政策を実施することにより、年間でマネタリーベースを60~70兆円増やすという目標を掲げており、今年の年末にはマネタリーベースを270兆円にまで増やしたいとしている。(編集担当:滝川幸平)