25日、日本銀行は2014~18年度の業務や組織運営の基本方針となる中期経営計画を発表。これは黒田東彦総裁のもとで策定する初めての中期経営計画となる。その中期経営計画内で掲げられた5つの「日本銀行の行動原則」に基づき、物価や金融システムの安定といった使命達成に向けた組織的な対応や、対外へのコミュニケーションの充実などを図るとしている。
前総裁である白川方明氏の頃には、3年計画を毎年ごとに見直す方式をとっていたが、今回新たに5年間固定方式に変更された。黒田東彦総裁の任期中である18年の春まで原則として中期計画の見直しは行わず、期間中には中間レビューを行い、必要があれば計画を更新するとしている。
今回発表された中期経営計画内で掲げられた5つの「日本銀行の行動原則」は、民間企業における理念やスローガンにあたり、その内容は「公益の実現」「透明性の確保」「業務の質の向上」「公正な職務の遂行」「経営資源の効果的・効率的活用」となっており、これらの理念・スローガンに基づき、中期経営計画を展開して行くとしている。
そして中期経営計画の中核をなす経営指針には、金融経済のグローバル化の進展、また金融商品・取引の多様化・複雑化などを受けて、これまでの内容を改定し物価と金融システムの安定という使命達成に向けた組織的な対応や、リスク管理を含めた業務遂行力の向上、対外コミュニケーションの充実などを盛り込んでいる。
日本の経済がデフレからの脱却を果たし、物価安定のもとでの持続的な成長を行う過程において金融経済情勢の様々な変化が予想されるとしており、日本銀行としては金融経済情勢の適切な調査や分析、また機動的な政策の企画や立案の実施などにより、金融調節の体制整備を図るとしている。また金融システムの安定確保、新日銀ネットの安定稼働などの決済サービスの高度化や市場基盤の整備、そして金融経済のグローバル化への対応のために海外当局との連携を強め、金融機関とのコミュニケーション強化にも注力するとしている。(編集担当:滝川幸平)